しなやかなアッパーと強力なグリップで競技指向にアップデートした厚底モデル
MERRELLのトレイルランニングシューズの中で最もソールが厚く、ロングディスタンスに向いている「Agility Peak（アジリティー ピーク）」がバージョン５にアップデートしました。今回はアッパーもソールシステムも一新し、まったく新しいシューズに仕上がりました。
まずはアッパーから見ていきます。素材は前作のジャカードメッシュからエンジニアードメッシュに変更。伸縮性と通気性が大きく向上しています。TPUの補強はボトム付近をトウからヒールまで施されています。
シューレースとウェビングを駆使した独自のレーシングシステムは廃止され、ハトメを利用した一般的なタイプになりました。タンは前作と同様でサポート力の高いガセットタン。余ったシューレースを束ねるバンドも新設されました。
スタックハイトは、フォアフット25mm、ヒール31mm。ドロップは6mmで、前作より全体に1mm厚くなっています。ミッドソールは軽量性と耐久性を併せもち、反発弾性が長時間持続するFLOATPRO™（フロートプロ™）フォームを搭載。さらに、FLEXCONNECT™（フレックスコネクト™）という溝が刻んであり、足の屈曲に合わせてソールがフレキシブルにたわんでくれます。また、トレイルの突き上げから足を守るESSロックプレートをインサート。フルレングスではなく、フォアフットから3/4までをカバーしています。インソールはPUからEVAに変更され少し高反発になっています。
アウトソールのコンパウンドは前作同様で濡れた路面やラギッドなトレイルでのグリップに優れるVibram社のメガグリップですが、ラグ形状を一新。このラグは側面に細かいマイクロラグを配置することで表面積を最大50％増やしトラクションを最大25％増強するVibramの最新特許技術、トラクションラグを採用しています。そして、アウトソールのベース部分は軽量化のために随所で肉抜き加工を施してあります。
足を入れてまず感じたのはアッパーのしなやかさです。履く前から想像していた通り、足をしっかりとホールドしてくれた前作と比較すると「Agility Peak 5」は足をダイナミックに動かしてもストレスを感じることはありません。とくに登りでフォアフットを屈曲したときにスムーズさを感じました。アッパーのフィット感が良くなったせいか、フィットは全体に少しタイトになったようにも感じました。
トレイルを走ってみると、厚みを増したソールのクッション性はもちろん実感しましたが、それ以上に接地から荷重移動が澱みなくスムーズに行える点に進化を感じました。しなやかになったアッパーとのソールのマッチングが良く、シューズ全体が滑らかに身体を前に運んでくれ、足との一体感を強く感じました。
また、重量は前作と変わらないのに、走ってみると軽量に感じられたのもシューズ全体のバランスが良い仕上がりになっているからだと思われます。
グリップ性能も大きく進化しています。高さ5mmの新しいV型のラグは角が8箇所、X型のラグは角が10箇所あるため路面によく噛んでくれます。とくに横方向への滑りが抑制されています。もちろん、メガグリップなので濡れた岩などでもしっかりと吸い付いてくれました。また、ラグの間隔が広くとってあるので、土の詰まりも少なくなりました。
「Agility Peak 5」は、よりしなやかな履き心地でダイナミックな動きにも相性が良くなり、クッション、グリップ共に強化されたため、前作と比べるとパフォーマンスレベルがグッと上がっています。ここ一番のロングレースで使いたくなるポテンシャルに引き上げられた意欲作だと思います。
AGILITY PEAK 5
（アジリティー ピーク 5）
・価格：¥19,800（税込）
・サイズ / ウェイト / カラー
MEN’S：25.0-30.0cm / 約290g（27.0cm/片足）/ TAHOE/CLOUD、HIGHRIZE/HIGHVIZ、OYSTER/OLIVE、BLACK/BLACK
WOMEN’S： 22.5-25.5cm/ 約240g（24.0cm/片足）/ ATOLL/CLOUD、HIGHRISE/CELERY、MOONBEAM/OYSTER、BLACK/BLACK
・スタックハイト：ヒール31mm、フォアフット25mm
・ドロップ：6mm
■MERRELL：https://merrell.jp/
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