フィット、スピード、滑らかさ、グリップ、四拍子揃ったトップレーシングモデル
・タン一体型のアッパーと斜めにセットしたシューレース
・テクニカルトレイルに対応するしっかりとした補強
・ソフト・ハード両対応のオールラウンドな4.5mmのラグ
Salomon(サロモン)のトレイルランニングシューズのラインナップで、最もファスト&ライトなスプリントシューズ「S/Lab Pulsar(エスラブ パルサー)」がバージョン3にアップデートしました。前作まではアウトソールのラグが低い「S/Lab Pulsar」と、ラグが高く、柔らかい路面を得意とする「S/Lab Pulsar SG(Soft Ground)」の2モデルが存在していましたが、今回は「S/Lab Pulsar 3」1モデルに統合されました。
S/LabシリーズはSalomonのトップアスリートのために作られているため、素材の選定に妥協はありません。アッパーは前作同様に高張度ポリアミドとケブラーを混紡したMatryx®を採用したシングルレイヤー。メッシュは前作よりさらに目が荒くなり通気性が向上しています。その分、サイドとトウはしっかりとしたオーバーレイの補強が施されています。大きな変更はシューレースの取り付け位置を外側にずらして斜めに配置している点です。
ソールのスタックハイトはフォアフット18mm、ヒール24mm。ドロップは6mmです。ミッドソールの素材はエナジーフォームで、フォアフットのエッジ付近を蹄のような形で硬めのコンパウンド、それ以外は柔らかめのコンパウンドを使用しています。さらに内部にプロフィールフィルムと呼ばれるプレートをインサートすることでトレイルからの突き上げから足を守ります。前作と同様、インソールはシューズに接着されています。
アウトソールのコンパウンドはSalomonが独自に開発しているオールテレーン コンタグリップ。ウェット、ドライ、岩場など、あらゆるコンディションで高いフリップ性能を発揮します。ラグの高さは、前作の「S/Lab Pulsar 2」が2.5mm、「S/Lab Pulsar 2 SG」が5mmだったのに対して、「S/Lab Pulsar 3」は4.5mmです。ラグの形状も変更され接地面積が広くなっています。
タンがないため履き口は少し小さいですが、足を入れてみると圧迫感も緩んだ部分もなく綺麗にフィットしてくれます。横幅はSalomonのシューズの中でも狭い方です。シューレースが甲の傾斜に沿って取り付けられているため、締め込んでも一部に圧が集中することがなく自然なフィット感を維持します。
履いてみてまず感じるのはやはり205gという軽さです。そして、立った状態から少しバランスを崩せばロッカー形状のおかげでシューズは前に進み出します。この推進力と、薄めながらパワーのあるミッドソールの反発を利用してテンポよく進むことができます。フォアフットの硬めのクッションはテクニカルな路面でのタッチが正確でステップの精度が高まります。一方、ヒールは適度なクッション性を感じられるため、下り坂では衝撃に強く快適です。
ソールは前方に転がるロッカー形状とは別に、左右にも傾斜がついているのが新しいポイントです。前から見るとフォアフット部は横方向にローリングしやすい凸型のコンベックス形状、そしてヒール部は左右それぞれが凸型になっていて、センター部は大きく凹んでいます。このおかげで滑らかな接地感とより繊細な荷重感覚を得ることができます。捻れた斜面でもソールがうまくフィットし余計なストレスがかからないため、俊敏性も向上します。面ではなく線に近い荷重ラインをイメージしたいランナーと相性がいいと思います。
グリップに関しては、2モデルを1足に統合したからと言って中途半端な感じはありません。4.5mmのラグは接地面積が広いので硬い路面でもつぶれすぎて走りを妨げることがなく、柔らかい路面ではしっかり食い込んでくれるため、オールラウンドに使用できます。オールテレーン コンタグリップのコンパウンドも粘りがあるので信頼できます。
「S/Lab Pulsar 3」は高い戦闘力を持ったトップレーシングモデルながら、適応する範囲が広くなり、使用するためのハードルは下がったように思います。レース用としての候補になるのはもちろんですが、軽量でクイックなシューズでダイレクトな感覚を楽しんでみたいなら履いてみる価値があるシューズだと思います。
S/LAB PULSAR 3
(エスラブ パルサー 3)
・価格:¥27,500(税込)
・サイズ:22.5-28.5cm
・カラー:Fiery Red / Fiery Red / Black
・スタックハイト:ヒール 24mm、フォアフット 18mm
・ドロップ:6mm
・重量:205g
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