優しさと安定感を併せもちながら、走りが加速するダブルプレートシューズ
・2枚のプレートを組み込んだ5層構造のミッドソール
・よりアグレッシブになったソールのロッカー形状
・ラグの数を増やし、パターンも変更したアウトソール
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)のトレイルランニングシューズの最高峰、「VECTIV(ベクティブ)」シリーズは、2021年にデビューから2回目のフルモデルチェンジを迎え、第3世代にアップデート。3足のニューモデルをリリースしました。今回はその中で最も注目を集めているフラッグシップモデルの「Summit VECTIV Pro 3(サミット ベクティブ プロ 3)」をレビューします。
アッパーは張りがあるブリーザブルメッシュのシングルレイヤー。最大限の通気性を確保しながらも適度にしなやかで、ホールド性と快適性を両立しています。補強はオーバーレイとアンダーレイを組み合わせています。

ソールと接続されたウイングタンは薄く、伸縮性が高い素材ですが、センター部分にパッドを配置し、その両サイドには通気性を高めるホールが開けられています。前作で評判だった、しっかりとしまって緩みにくいシューレースは今回も採用されています。

履き口のカラーは薄く仕上げられていますが、内側にはしっかりとパッドが配置されています。ヒールは柔らかく、補強は最小限に抑えられています。

注目のソールシステムはなんと5層構造。2枚のプレート、2層のミッドソール、そしてアウトソールという構成です。スタックハイトはフォアフット33mm、ヒール39mm。前作よりも7mm厚くなっています。

最上層のプレートは、TPUとカーボンをハイブリッドしたウィング形状の3Dプレート。走行中の安定感を高める役割を担います。その下には厚さ10mmのDREAMフォームがあり、反発性とクッション性を高めます。その下層にフルレングスでフォーク形状の3Dカーボンプレートを挿入することで推進力を高めています。そして、ベースとなるのはDREAMミッドソール。アウトソールにはオリジナルのコンパウンド、サーフェスコントロールを採用。ラグの高さは前作と同様の3.5mmですが、形状を変更し数も増やしているので、より高いグリップ力を発揮します。

足を入れてみると、ロングディスタンスに対応しているだけあって、トウボックスにはゆとりがありました。アッパーのメッシュは伸びすぎず適度な張りがあり、薄いタンとのバランスも良く十分なホールド感を得られます。また、通気性と水抜けが最高なので足をドライに保ちやすくなっています。
整備されたトレイルや林道ではソールのロッカー形状による転がりと、カーボンプレートの反発を利用して快適に走ることができます。クッションは前作よりもソフトなので、扱いが難しいということもありません。また、前作よりもスタックハイトが増していますが、安定感は損なわれていません。
むしろ、ウイング形状のプレートがソフトになった分、シューズ内での左右の荷重移動に対して、より自然な感覚でサポートしてくれるようになりました。この傾向はテクニカルトレイルを走るとよりしっかりと感じ取れます。地形によってシューズが左右にローリングする際の挙動が穏やかなので、結果としてストレスが軽減します。

走れる登りや条件の良いトレイルではカーボンプレートのおかげでシューズの推進力が発揮され、荒れた路面では上層の3Dプレートが安定感をもたらしてくれます。
アウトソールのラグは角が立った形状に変更され、数も増えたおかげでグリップ性能も高まりました。とくに下りでしっかりと路面を掴めるようになっていると感じました。
総合的な印象としては、前作同様に走れるトレイルで本来のパフォーマンスを発揮するシューズだと思いますが、履きこなすための敷居はぐっと下がっていると思います。トレイルランニングをある程度経験している方で、いつもより少しアグレッシブに走ってみたいと思った時にピタリとハマるシューズだと思います。
Summit VECTIV Pro 3
(サミット ベクティブ プロ 3)
・品番:NF02501
・価格:33,000円(税込)
・サイズ:5〜11
・カラー:ホワイトアッシュ×サルファースプリンググリーン(WS)
・平均重量:約295g(9インチ)
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