アッパーデザインを変更、
まったく癖のないニュートラルな性能は健在
イギリスのランニングシューズメーカーinov-8(イノヴェイト)のコンセプトは、裸足で走るのと同様に足を機能させて走る、ナチュラルランニングです。もちろん、誰でもすぐにナチュラルランニングを実践できるわけではありません。そこで、inov-8はトランジション・ジャーニーというプロセスを実践するためのラインナップを採用しています。
これは、ドロップ(踵とつま先の高低差)とクッションの量を徐々に減らしながら、徐々に裸足に近い感覚のシューズに変えていくことで、誰でも無理なくナチュラルランニングを実践できるようになります。そのドロップを現すのは踵部に刻まれたアロー( ∨ )の数です。0アロー=0mmドロップ、1アロー=3mmドロップ、そして、今回紹介する「TRAILROC(トレイルロック) 255」は2アロー=6mmドロップとなります。最高は3アローの9mmドロップとなります。
さて、「TRAILROC 255」は2013年モデルも紹介しましたが、2014年モデルではアッパーのデザインが変更されました。また、22.0cm相当のサイズまでカバーするウィメンズ専用モデル「TRAILROC 246」も登場しました。inov-8のモデル名の最後の数字は重量を表しているので、同じモデルでもウィメンズモデルは軽いので数字が異なっているわけです。
さて、デザイン変更されたアッパーはハトメからミッドソールへつながる補強が斜め後ろに伸びているのが特徴です。しかし、もともと、ナチュラルランニング志向のシューズですから補強も強いものではないので、履いた感覚はほとんど変化がありませんでした。そもそも、「TRAILROC 255」の特徴は「アシストなき補強」といえると思います。足がねじれないように補強したり、重心移動を助けたりするようなアシストはせずに、あくまでも素足に近いフィーリングを維持できるような、いわば足の皮が一枚増えたような最低限の補強と言えると思います。アッパーのサイドに張り巡らされたプロテクトでさえ、硬い素材を使わずに、柔らかくて厚みのある素材を使うことで、足の動きを妨げないような工夫をしてあります。シューズに走り方を強制されることなく、自然な足の運びができるのは、このためです。
「TRAILROC 255」はドロップ6mmということと、踵のクッションも適度にあるので、ナチュラルランニング用と身構えずに、どんなランナーでも違和感なくは着こなせる、オールラウンド性の高いシューズです。幅広で日本人の足にもマッチしますので、inov-8のランニング観を体感するはじめの一足としては、申し分のないシューズではないでしょうか。
TRAILROC 255
トレイルロック255
■品番/INV2421M2/GRY
■価格/¥15,000(税抜)
■カラー/ GRAY×BLUE
■アッパー/合成繊維×人工皮革×合成樹脂
■ミッドソール/合成樹脂(INJECTED EVA)
■アウトソール/ゴム底
■インソール/ 6mm
■サイズ/24.5 – 28.0cm(Men’s)
Women’s model
TRAILROC 246
トレイルロック246
■品番/INV2422W2/PPL
■価格/¥15,000(税抜)
■カラー/ PURPLE×GRAY×YELLOW
■アッパー/合成繊維×人工皮革×合成樹脂
■ミッドソール/合成樹脂(INJECTED EVA)
■アウトソール/ゴム底
■インソール/ 6mm
■サイズ/22.0 – 24.5cm(Women’s)
※2014年掲載価格やスペックは変更になることがあります。
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