TevaSphere Speed

まるで踵が前に出た気分！
ナチュラルな走りをサポートする新感覚シューズ

「TevaSphere（テバスフィア）」は従来の踵の厚いシューズとも違うし、ベアフット系シューズとも一線を画するまったく新しいコンセプトのシューズです。踵はベアフットシューズのような球体。中足部にはポッドアーチシステムというスタビライザーのような役割のパーツがついており、とてもユニークな外観をしています。

「自分の走り方を変えることなく、そのままの走り方でより自然な着地を可能にします。またスムーズな体重移動と優れた安定性を実現し、効率的なストライド（走り）をサポートします」

という夢のような説明がなされていますが、実際のところはどうでしょうか？

シューズのボリュームは細めで、つま先もとがっています。アッパーはしっかりしていますがロードランニングシューズ程柔らかくなく、トレイルでも安心して走れそうです。ヒールは球体ですが、ヒールカウンターは入っているので踵のホールドはしっかりしています。アウトソールはブロックが小さめなオールラウンドタイプです。

歩いてみた感覚は、自分では何も意識していないのに踵がゴツンと地面にぶつかる感覚がありませんでした。一番に接地していたのは踵の一番前から土踏まずのあたり、つまりポッドアーチシステムの部分です。踵が角張っていない上に少し浮いているので、このシューズの中で一番安定する部分、つまりポッドアーチシステムの上に自然と着地していたのです。人は一番安定する部分に自然と頼ってしまうということなのでしょう。

これは走り出しても同様で、自然に中足部で着地するようになります。一番恩恵を感じるのはオーバーストライドで踵の角から強く着地するタイプのランナーでしょう。ステップが小さくなり、ミッドフットで着地できるようになり、ブレーキングが少なく、効率の良い走りができるようになるはずです。

では、もともとミッドフットで着地しているランナーにはどうしょうか？　踵の厚いシューズで走るとミッドフット部が接地する前に高い踵が着いてしまうので荷重したいポイントと実際のシューズに力が伝わるポイントがずれてしまいがちです。「TevaSphere」を履くとダイレクトにミッドフット部に荷重でき、しかもそこが一番安定感があるのでよりストレスがなく、安心して走ることができるようになると思います。

フォアフットのランナーには一見関係がない機能のように思いますよね？　しかし、そうでもありません。フォアフットで着地した後はミッドフットと踵が接地します（荷重はしなくても）。長い距離を走っていると足が疲労してきて、つま先で着地した後に下がってくる踵を支えるのがきつくなってきますが、そのときにポッドアーチシステムが支えてくれます。ですから、ベアフットランニングのトレーニング中の方、または挫折した方にも有効なシューズといえるでしょう。

「TevaSphere」の心臓部であるポッドアーチシステムは、後ろからの荷重も前からの荷重もすべてシューズのセンターで受け止めて安定させる画期的な発想です。トレーニング用としてはもちろん、レース用にも問題なしなので、ぜひ一度トライしていただきたいシューズです。


ポッドアーチシステムと球体ヒールのユニークなソールシステム。外観は奇抜だが、走ってみて違和感を感じることはない。