話題の新発想ソールシステムに快適性をプラスしたオールマイティ・トレイルシューズ
・快適性を重視したアッパーと厚めのタン
・履き口からヒール周りを手厚くサポート
・トレイルを確実に掴むアウトソール
2025年3月に発売された途端に品薄状態が続いているSalomon(サロモン)の「S/LAB ULTRA GLIDE(エスラボ ウルトラグライド)」。こちらが入手困難でも、同じコンセプトのソールシステムを採用した「ULTRA GLIDE 3」も発売されています。ここでは「S/LAB ULTRA GLIDE」との違いを踏まえながらレビューします。
「ULTRA GLIDE 3」はネーミングから判断すると「ULTRA GLIDE 2」の後継モデルということになりますが、実際にはまったく別のシューズです。系譜としては先にデビューした、機能をより特化させている「S/LAB ULTRA GLIDE」のサポートを高めたコンフォートモデルと捉えることができるでしょう。

リサイクル素材を採用したアッパーは少し厚めで張りがあり、しっかりとした印象です。アッパーの下部とトウキャップにはオーバーレイによる補強が施されています。シューレースはワンタッチで着脱できるクイックレース。レースケージの上部には足を包み込むようなフィット感を生むセンシフィットの大きなタブが付いています。少し厚みがあるタンは、ソールと接続されたエンドフィットという構造で、シューズと足の一体感を得られます。

履き口周りのパッドは厚みがあり、下部まで広範囲に配置してあります。ヒールカウンターはしっかりとしたプレートが内蔵されていて、かかとをガッチリと包み込みます。

スタックハイトはフォアフット35mm、ヒール41mmでドロップは6mm。ソールシステムの基本コンセプトは「S/LAB ULTRA GLIDE」と共通です。横から見るとウェーブ状に見えるソールは、裏返してみるとゴルフボールを押し付けて凹ませたような形状です。深さは同じではなく、4mmから7mm程度。大きさや形状にも違いがあります。この球状に凹んだ部分はリリーブ・スフィア(relieve SPHERE)と呼ばれていて、足裏の圧が集中する部分には球状の盛り上がりを作ることで、ピンポイントでかかる圧を分散してくれます。ソール全体の厚みによる衝撃吸収と併せてダブルの効果があるわけです。


「S/LAB ULTRA GLIDE」と比較するとソールシステムの相違点がいくつかあります。まずはミッドソールの素材です。「S/LAB ULTRA GLIDE」はエナジーフォーム+とエナジーフォームの2層構造でしたが、「ULTRA GLIDE 3」はエナジーフォームのみとなっています。またミッドソールのサイドへの立ち上がりは最上部が1cm程度低く抑えられています。アウトソールの素材(コンタグリップ)とラグ形状は同じですがリリーブ・スフィアの凹みの部分は1mm程度少なくなっています。

フィット感は「S/LAB ULTRA GULIDE」に比べアッパー素材と履き口の厚みが合わさってより強いサポートを感じられます。トウボックスは広く快適でプロテクションもしっかりしています。タンと履き口周りには十分にパッドが入っているので、ふんわりと包まれる印象でした。
トレイルを走ってみると、衝撃吸収は柔らかすぎず、適度なリバウンドを感じました。「S/LAB ULTRA GLIDE」と同様に、ソールが沈み込みすぎない割に足への負担が軽く、良い意味で手応えがないような印象でした。結果として長距離を走っても疲労感は抑えられました。
「ULTRA GLIDE 3」はミッドソールが単層ですが、クッション性の違いは、強く荷重がかかった時に少し沈み込みが少なく感じる程度でした。グリップ性能は「S/LAB ULTRA GLIDE」と同等で、ラグの数が少ないのにしっかりと路面に噛んでくれました。
ダイレクトでアッパーのレスポンスの良い「S/LAB ULTRA GLIDE」とヒール周辺のサポートが手厚く快適性を重視した「ULTRA GLIDE 3」。好みやスタイルに合わせて選んでもらえばいいと思います。
ULTRA GLIDE 3
(ウルトラグライド 3)
・価格:¥19,800(税込)
・サイズ:MEN 25.0-31.0cm、WOMEN 22.0-25.5cm
・カラー:MEN 4色、WOMEN 3色
・重量:290g(片足27.0cm)
・スタックハイト:35mm×41mm
・ドロップ:6mm
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