2013年9月15日(日)、第3回を迎えた「白馬国際トレイルラン」が、全国各地に記録的被害をもたらした台風の影響で前日まで開催が危ぶまれながらも無事に開催されました。日本有数の山岳リゾートを舞台にしたこのレースは、八方尾根観光協会はじめ地元の絶大な協力体制のもと開催されたもので、ロング(50km)、ミドル(30km)、ショート(20km)の距離別カテゴリーに加え、比較的平坦なコース設定のファミリー&トライアル(7km)のクラスが用意され、エキスパートからビギナーまでが、トレイルランの魅力を思う存分味わえる内容。ロングコースは、八方の観光協会前をスタートしたあと、白馬シャンツェから八方尾根をゴンドラ山頂駅まで駆け上がり、パノラマコースを経て松川沿いに走り、岩岳、落倉高原、みねかたの東山(きこりの道)を通って八方に戻るというもので、累積標高、2263m。最大標高は1350mとなります。北アルプスを代表する八方尾根スキー場の地形を利用した峻険な上りもあれば、信州の伝統的文化遺産である「塩の道」を走る部分もあり、バリエーションに富んだルートです。しかし、前夜の時点で、台風が日本列島に接近してきており、当日は朝から雨が降ったり止んだりというすっきりしない天候。そのため、本来なら落ち葉が堆積した極上の走り心地を誇るトレイルもぬかるみが多くなり、また大会自慢である北アルプスの絶景も残念ながら顔を出しませんでした。それでも、ランナーの多くはコースのもつポテンシャルを存分に楽しんでいたようで、スタートからゴールまで、笑顔を絶やさずに走る選手も多く見受けられました。
ロング男子では、中盤からトップを奪った田畑幸司選手が最後まで快走して昨年に続く2連覇を達成、2位、3位にはチームinv-8×DESCENTEの半田選手と小出選手、4位には、招待選手のブレンダン・デイビーズ(オーストラリア)選手が入った。ロング女子は、招待選手のショナ・ステファンソン(オーストラリア)選手が、スタートから独走態勢を維持して優勝。彼女は2013年のウルトラトレイル・マウントフジで女子準優勝の実績を持つ選手だけに、やはり圧倒的な強さを発揮しました。
また、ゲストランナーには鏑木毅氏、福田六花氏、三好礼子氏が華を添えていた。日本が誇る山岳美と伝統文化が点在するコースを走るこの大会は、今後ますます人気となるでしょう。
男子ロング1位/田畑幸司(岡谷市役所)【写真左】
「第1回の2位、昨年の1位と、これまで相性の良い大会なので、今回もと張り切って参加しました。本来なら北アルプスを眺めながら走れる爽快なコースなのですが、天気が悪く、その点は残念でしたね。前半から中盤にかけては落ち着いて自分のペースをキープして走り、30km以降でトップに出た後は、楽しみながら走りました。このコースは、標高差の割に変化があり、ロード区間も比較的長いため自分には合っていると思いますが、これからは、もっと速くなれるようにトレーニングしていきたいと思います」
女子ロング1位/ショナ・ステファンソン(オーストラリア)【写真右】
「途中で転んでしまったのだけれど、LOVEを自分に言い聞かせて最後まで集中しました。大好きな日本で、素晴らしいコースを走ることができて幸せです」
男子ロング2位 半田佑之介(inov-8×DESCENTE)【写真左】
「累積標高のスペック以上にきついコースでした。30kmあたりの塩島エイド付近が一番苦しかったですね。ただ、変化があって景色が良くて、応援の方々の雰囲気も良くてと、今まで走った中では最高のコースでした。タイム的には予定よりも大幅に遅かったし、思っていたようなペース配分もできなかったけれど、白馬の自然を味わいながら、心から楽しんで走ることができました」
男子ロング3位 小出拓則(inov-8×DESCENTE)【写真右】
「25kmあたりで、予想より早く足にきてしまいました。みねかたの最後のピークへの上りは、本当にしんどかったですね。すぐ後ろについていたブレンダン選手の圧力もすごかったのを覚えています」
エイドステーションの充実も今大会の特徴。HEADの私設エイドステーションではオレンジ220個、ぶどう16キロ、パイナップル18個、ブリーベリー1.5キロ、アミノバイタル、お水で地元のジュニアスキー選手も協力して総勢11名で対応
特別協賛は、本格的にアウトドアウェアの展開をはじめたデサント。テーマは「スピード感」ということなので、まさにトレイルランニングにぴったりのコンセプト。また、デサントではinov-8×DESCENTEというダブルネームでシューズも展開中だ
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