人類はフルマラソンで2時間を切れるのか? すべての持久系アスリート必読のニューヨーク・タイムズ・ベストセラー
マラソン、自転車ロードレース、登山といったあらゆる持久系スポーツで、パフォーマンスを左右する耐久力。これを決定するのは、心か体か? 既存のパラダイムを大きく変える科学的研究の成果から、一見、限界と思えるものの正体を明らかにする。
箱根駅伝最強ランナー&大学駅伝の名伯楽
渡辺康幸(現・住友電工陸上競技部監督元・早稲田大学競走部駅伝監督)による日本版解説
「マラソンで2時間を切るのは時間の問題だ」
「限界」は幻想だ。もうあと一歩、もうひとこぎ長く、もう1分、もう1秒速く――。そう願いながら、私たちは肉体の限界と闘っている。私たちは、それを不変のものだと思っている。だが実は、限界とは、自分が考える以上に柔軟なものなのだ。
本書に登場するのは、1マイル(約1.6キロ)走4分切りに世界初で成功したロジャー・バニスター、自転車のアワーレコードに挑戦したイェンス・フォイクト、エベレストの無酸素登頂を成し遂げたラインホルト・メスナー、不屈のレーススタイルで1980年代のマラソンスターとなったアルベルト・サラザールといった有名アスリートや、極寒の南極大陸横断に単独で挑む冒険者、1000マイル(約1600キロ)のウルトラマラソンを走破するランナー、素潜りで海中102メートルに到達したフリーダイバーといった、極端とも思える方法で人間の限界を押し広げていこうと突き進んだ人たちだ。
著者のアレックス・ハッチンソンも、ケンブリッジ大学で物理学の博士号を取得しながら、1500メートル走の選手としてカナダのオリンピック選考会に2度出場した経歴を持っている。
本書は、こうした持久系アスリートたちの物語を織り交ぜつつ、過去から現在までの科学的知見を駆使し、人間の耐久力を決めるものや、痛み、筋肉、酸素、暑さと熱、のどの渇き、エネルギーといった肉体に影響する要素についても詳細に解き明かしていく。
また2017年5月6日、エリウド・キプチョゲ(現・マラソン世界記録保持者)がヴェイパーフライを履いてマラソンサブ2に挑戦したナイキのプロジェクト『Breaking2』に関し、世界でたった2人、舞台裏の取材を許されたうちの1人である著者が、その模様を紙上で再現する。
人間の限界は何が決めるのか。自分の肉体の限界に、真に触れるためには何が必要か。本書はすべての持久系アスリートに、耐久力(エンデュアランス)向上のヒントを与えてくれる。
著者について
(著者)アレックス・ハッチンソン
カナダ在住の作家兼ジャーナリスト。ケンブリッジ大学で物理学の博士号を取得。カナダのナショナルチームの一員として中・長距離走選手を務めた経歴を持つ。『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ランナーズ・ワールド』といった新聞や雑誌に執筆多数。2008年、ナショナル・マガジン・アワードを受賞。他の著書に『Big Ideas: 100 Modern Inventions That Have Transformed Our World』や『良いトレーニング、無駄なトレーニング――科学が教える新常識』(草思社)などがある。
(訳者)露久保由美子
翻訳家。主な訳書に『太陽系観光旅行読本』(原書房)、『アメリカ海軍が実戦している「無敵の心」のつくり方』(クロスメディア・パブリッシング)、『STARTUP STUDIO 連続してイノベーションを生む「ハリウッド型」プロ集団』(日経BP社)などがある。
限界は何が決めるのか?
持久系アスリートのための耐久力(エンデュアランス)の科学
■アレックス・ハッチンソン (著)
■露久保 由美子 (翻訳)
■価格/¥1,944
■単行本(ソフトカバー)/360ページ
■出版社/TAC出版 (2019/9/14)
■言語/日本語
■発売日/2019/9/14
■商品パッケージの寸法/18.8×12.7×2.5cm