TrailRunner

【Tips】暑さに負けない体をつくる 「暑熱順化」 のすすめ

夏のトレイルでパフォーマンスを落とさないために欠かせないのが、「暑熱順化(しょねつじゅんか)」です。これは、暑い環境に体を慣れさせるための生理的適応のこと。熱中症リスクを下げるだけでなく、汗による体温調整がスムーズになり、真夏の山でも長時間動き続けられる体をつくることができます。本格的な夏が来る前に取り組んでおきましょう。

 

暑熱順化が進むと、発汗、心拍、体温調整など、体のさまざまな機能が暑さに適応していく

 

 

暑熱順化で体はどう変わる?
暑熱順化が進むと、以下のような身体の変化が現れます。

・発汗量が増え、汗が早く出るようになる
・汗のナトリウム濃度が下がり、塩分を失いにくくなる
・心拍数が下がり、暑さでも疲れにくくなる
・体温が上がりにくくなる

このような変化が起こるまでには5〜10日ほどのトレーニング期間が必要です。

 

暑熱順化の方法 3選
ここではトレイルランナーにおすすめの3つの方法をご紹介します。

① 暑い時間帯にあえて運動(自然順化)
気温30℃前後の時間帯に、ジョグや登り中心の1時間程度のトレーニングを行います。
軽めの負荷でも、日差しや湿度によって大きな効果を発揮します。
水分補給と冷却対策(帽子やアイスバッグ)を忘れずに。

② サウナ or 入浴(パッシブ順化)
運動後に10~15分間、42℃程度の湯船につかる。
サウナでもOK。心拍数を少し上げた状態で発汗を促すのがポイント。
運動ができない日でも暑熱順化が可能なので、継続しやすいのが利点です。

③ 室内トレーニング(屋内順化)
扇風機を止めて室温30℃以上の部屋でバイクやトレッドミルを30〜60分。
低強度でも発汗を促すだけで効果あり。
汗をかいた状態で少し長く過ごすのがコツ。

 

自然順化(屋外運動)、パッシブ順化(入浴・サウナ)、屋内順化(室内トレーニング)

 

暑熱順化を安全に行うために
初日は20分程度の軽い運動から始めましょう。急に長時間動くと、かえって熱中症の危険があります。

・水分と塩分補給は必須。1時間で500〜1000mlを目安に。
・頭痛、吐き気、めまいなどが出たら即中止し、涼しい場所で休息を。
・順化効果は数日で低下するため、1週間に数回は維持トレーニングを。

 

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