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【LEDLENSER】小川壮太が語るヘッドライトの選び方と使いこなし術

――トレイルランニング用のヘッドライトは何を基準に選んでいますか?

小川 ヘッドライトは命を預けるギアの一つだと思うので、まずは信頼できるブランドであること。当たり前ですがちゃんと光ってくれること。さらにトレイルランニングの場合は、ある程度スピードを出して進むので、他のアウトドアスポーツよりもライトを選ぶ基準がシビアになります。まずはルーメンで表される光束と点灯時間ですね。でも、ただ明るいだけではなく、どれだけ広い範囲を十分な明るさで照らせるかがとても重要になってきます。

――フィット感についてはいかがですか?

小川
 点灯時間が長いモデルはバッテリーが大きく、重くなってきますが、できるだけ軽量で、下りを走っても揺れずに安定していることもポイントです。ウルトラトレイルを走る場合は、一晩中着けることになるのでストレスにならない装着感もチェックしますね。

――新しくなったLEDLENSER(レッドレンザー)の「NEO(ネオ)」シリーズの感想を最上位モデルの「NEO9R」を中心に教えてください。

小川 「NEO9R」はライトユニットのLEDが三つに増えたのに、従来のモデルよりも軽くコンパクトになっていてびっくりしました。リアのバッテリーユニットは容量がアップしているので前モデルよりも重量が増加していますが、ライトユニットを含めた全体の重さとしては遜色ないレベルに仕上がっています。フィッティングも良く、前後の重量配分もいい感じで違和感はありません。ベルトは前モデルの半分くらいの幅ですが、ずれたり不安定になることはありません。上部につけるベルトも付属していますが、私の場合は使用しなくても十分にフィットしてくれます。

――実際に照らした時に感じる明るさはいかがですか?

小川 ニューモデルの「NEO9R」は前モデルと比べても同じようなスペックなのですが、実際に使用してみるとだいぶ明るく感じます。長時間使用してもストレスなく使って走り続けられるように、光の質がチューニングされているのだと思います。

――光の質とは具体的にはどういったところですか?

小川 以前のモデルはLEDが一つで、光が当たる範囲が狭く、中心から縁までの明るさが均一で、明暗の境界線の丸い輪郭がはっきりしていました。このようなスポットタイプは円の輪郭を見続けることになるので、どうしても疲労感がありました。「NEO9R」は光が拡散するタイプで、中心が非常に明るくて端にいく従ってじんわり柔らかく暗くなっていきます。ですから、中心は遠くまで光が届きやすく、上下左右の視界は広く明暗の境目が綺麗なグラデーションになっています。このおかげで見え方が自然でストレスがないんです。足元が光りすぎてしまうと、目が疲れてしまうのですが、進行方向は遠くまで光を届かせて、足元などの近いところは緩やかに光量が落ちてくるので、一晩中使ってみると目の疲労はだいぶ軽減されます。コースのマーキングテープも以前より見つけやすくなりました。

――ただ明るければいいというものでもないわけですね。

小川 そうですね。あとは光の色も関係してきます。LEDの光の色は限りなく白に近く見えるのですが、LEDLENSERの光は暖かい色に調整してあります。暖色系にすることで目の疲労はだいぶ軽減されます。それでも、光量あげるとサングラスかけたくなるような明るさになりますね。日中でもそうですけど、明るすぎると目も疲れるので、程よい明るさに調節することも大切です。また、ちょっと湿度が高くなってくると、岩や草が、霧などに反射したりして目が疲れることもあります。ですから優しい色、優しい光り方、適切な明るさが大切なんです。

――4段階の明るさはどのように使い分けていますか?

小川 「NEO9R」では基本的には“ミドルパワー”(200ルーメン)を使用しています。下りで飛ばすときには視野をより広くとりたいので“パワー”(600ルーメン)に切り替えます。“ローパワー”(20ルーメン)は地図やスマートフォンなど近くの物を見たいときや、頭を下げると明るすぎて白くなってしまうので、そういうときに使用します。新しく搭載された“ブースト”(1200ルーメン)は緊急時に役に立つと思います。

――操作性で変わったところはありますか?

小川 以前のモデルはボタンを押して明るさを切り替える時に一度OFF(消灯)になっていたのですが、「NEO9R」はボタンを押すたびに3段階の明るさが切り替わって、ライトが消える局面がなくなりました(消灯するにはボタンを長押しする)。とくに、下りでスピードを出しているときなど、一瞬でもライトが消えるタイミングがあると不安があるので、安心して明るさの調整をできるようになりましたね。ボタンも従来のモデルより探しやすくなったので、手がかじかんでいたり、疲れがたまっていても押しやすいです。

――排熱はどうですか?

小川 これだけの光量があって、ライトユニットもコンパクトなので、長時間使うとどうかな? と思っていたのですが、バッテリーに関しても、光源に関しても熱くなることはほとんどないです。バックパックの中でスイッチが入ってしまったりすると、熱を持って危ない状態になることもありますけど、新しい「NEO」シリーズはそういう心配はないですね。

――小川選手は実際に「NEO」シリーズをどう使い分けていますか?

小川 ナイトランを含むウルトラトレイルでは、光束が一番あって照射時間も長い「NEO9R」を使います。「NEO9R」のバッテリーは一晩中点灯しても、まだまだ余裕があります。大会では必携品にサブライトを用意する必要があるので、そのときには、「NEO3」という単4電池を3本使用するモデルを持ちます。乾電池なら予備電池の用意が簡単ですから。ドロップバッグを預けられる場合は、その中に「NEO5R」を入れておくこともあります。「NEO5R」でも光量は十分なので、さらなる予備ライトという感じですね。また、もう少しミニマルに行くならメインを「NEO5R」、サブを「NEO3」。ドロップバッグに「NEO5R」をもう一つ入れておくという選択肢もありますね。

――なるほど、いくつか組み合わせ方があるのですね。ありがとうございました。

小川壮太(おがわそうた)
1977年生まれ。山梨県甲州市出身。プロトレイルランナー。陸上競技、スキー競技、山岳競技において国体で活躍。スカイランニング世界選手権および山岳スキー世界選手権の日本代表の経歴をもつ。

2022 NEO SERIES

NEO9R
・価格:¥12,980(税込)
2022年11月1日より ¥14,960(税込)
・本体質量:約199g(電池含)
・光束(lm):ブースト:1200 / パワー:600 / ミドルパワー:200 / ローパワー:20
・照射距離(m):ブースト:200 / パワー:120 / ミドルパワー:60 / ローパワー:5
・点灯時間(h):ブースト:- / パワー:5 / ミドルパワー:12 / ローパワー:120
・カラー:全2色
※追加専用充電池(NEO9R用)¥6,600

 

NEO5R
・価格:¥6,930(税込)
2022年11月1日より ¥8,470(税込)
・本体質量:約104g(電池含)
・光束(lm):ブースト 600 / パワー 300 / ミドルパワー 100 / ローパワー 20
・照射距離(m):ブースト 100 / パワー 70 / ミドルパワー 40 / ローパワー 5
・点灯時間(h):ブースト -/ パワー 4 / ミドルパワー 8 / ローパワー 35
・カラー:全3色

 

NEO3
・価格:¥3,960(税込)
2022年11月1日より ¥4,950(税込)
・本体質量:約97g(電池含)
・光束(lm):ブースト 400 / パワー 200 / ミドルパワー 100 / ローパワー 20
・照射距離(m):ブースト 80 / パワー 60 / ミドルパワー 40 / ローパワー 5
・点灯時間(h):ブースト -/ パワー 3 / ミドルパワー 6 / ローパワー 20
・カラー:全3色

 

NEO1R
・価格:¥4,950(税込)
2022年11月1日より ¥5,950(税込)
・本体質量:約39g(電池含)
・光束(lm9):ブースト 250 / パワー 150 / ミドルパワー -/ ローパワー 20
・照射距離(m):ブースト 80 / パワー 50 / ミドルパワー -/ ローパワー 15
・点灯時間(h):ブースト -/ パワー 3 / ミドルパワー -/ ローパワー 15
・カラー:全3色

 

■Ledlenser NEOシリーズ
https://ledlenser.co.jp/blogs/special/new-neo-series

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