ダイレクト感とスタビリティの絶妙のバランスで幅広いランナーを受け入れるスピードモデル
「クロスマックス」「XR ミッション」というヒットモデルを生み出したロードランとトレイルランのハイブリッド、「ドア・トゥ・トレイル」というコンセプト。そして、サロモンの選手用のラインナップ、S-LABから誕生した「センス」という「ナチュラルモーション」コンセプト。この二つが交わったモデルが「センス マントラ」です。
シュータンがソールまでつながって、アッパーと2層構造のように足と包み込む「ENDOFIT」は「S-LABセンス ウルトラ」等、の「センス」ファミリーと同様ですが、アッパーのボリュームには余裕があり、また、耐久性も高い仕上がりになっています。その分若干重量が増えますが、それでも270g(27cm)は「スピードクロス3」よりも43g軽い数値です。ナチュラルモーション コンセプトのソールのスペックは、スタンドハイトでフォアフット部10mm、ヒール部が16mm、つまりドロップ(つま先と踵の高低差)は6mmとS-LABより少し厚めで、ドロップも2mm違います。これにより、フォアフットというよりはミッドフット着地を主体としたランニングスタイルに向いているということになります。
と、ここまでのスペックや外見は「センス」ファミリーと非常に似ていますが、履いてみると、まったく別物だということが判ります。着地から蹴り出しまでの一連の足の動きをサポートする能力が高いのが大きな違いです。最大の要因はソールのフレックス。写真の通り「S-LAB センス ウルトラ」(写真下)が簡単に折り曲がってしまうほど柔らかいのに対して、「センス マントラ」(写真上)はかなり硬く仕上げられています。ヒールカウンターもしっかりとしたものが入っているので、ランニング中の足の運びに安定感が生まれるのです。インソールはアーチサポートもヒールカップもあり、反発性の良い素材が使われています。サロモンでは「XTウイング」のデビュー以来、低反発の柔らかめのインソールを長く使用してきましたが、「センス マントラ」では新しいタイプに変更されました。これらの仕様により、ミッドフットストライク向きといわれる「センス マントラ」ですが、ヒールストライクのランナーでも問題なく使用できるでしょう。
S-LABと比べてしまうとずいぶんがっちりしたシューズのように思えてしまいますが、サロモン全体のラインナップの位置関係としては、かなり戦闘力の高いシューズです。そして、ナチュラルランニングにトライするにも最適。ロードからトレイルまで、状況を選ばず軽快に走ってください。
■サロモン:http://www.salomon.co.jp/softgoods/