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【Review】SUUNTO 「SUUNTO 9 BARO TITANIUM(スント 9 ナイン バロ チタニウム)」

GPSトラッキングを170時間使用可能なツアーモードは、予想以上に使える精度だった。

今やトレイルランナーのマストアイテムとして定着しているGPSウォッチ。その中でも洗練されたデザイン、アウトドアでの信頼性、そしてロングライフバッテリーライフと、トレイルランニングシーンで熱い支持を得ているのが、SUUNTO(スント)のフラッグシップ「SUUNTO 9(スント ナイン)」シリーズです。
今回ご紹介するのはその最新モデル「SUUNTO 9 BARO TITANIUM(スント ナイン バロ チタニウム)」です。

BAROとは本体に気圧センサーを内蔵し、GPSデータと気圧高度情報を組み合わせ、より正確な高度情報と上昇/下降の数値を提供できるモデル。

シンプルになったベゼルデザインの「SUUNTO 9 BARO TITANIUM」(左)と従来の「SUUNTO 9 BARO」(右)。

そして、TITANIUMが意味するのは、文字通りベゼルにチタンを使用しているということです。「SUUNTO 9 BARO TITANIUM」は軽量ですぐれた強度があるチタンを採用したおかげで、既存の「SUUNTO 9 BARO」より14gの軽量化に成功しました。わずかな違いと思うかもしれませんが、両モデルを手に取って比べてみるとはっきりと違いを感じることができます。

(左)「SUUNTO 9」のボタンは右側に3つのみ。
(右)光学心拍計は信頼の3LED仕様。

ストラップは撥水性と耐久性を備えたナイロンウェビング製。ミリタリーテイストでハードな雰囲気です。3cm程長いスペアが一つ付属し、ワンタッチで交換可能です。
このストラップは表面を見るとザラッとしていて、腕との摩擦が気になるかもしれませんが、裏側は滑らかでツルツルなので一日中着けていても快適です。また、固定式のDカンは着脱時に立てることでストラップを出し入れしやすくなり、装着時は寝かすことで余ったストラップをロックできます。

ミリタリーテイストなストラップ。固定式のDカンは良好な使い勝手。肌面は滑らかだ。

さて、新機能で最も気になるのは、やはり170時間トラッキング可能なツアーモードではないでしょうか? 今回はこの点を中心にレビューしていきたいと思います。実はこのツアーモードは「SUUNTO 9 BARO TITANIUM」だけのものではありません。2021年3月30日に発表されたファームウェアのアップデートを適用すれば既存の「SUUNTO 9」シリーズでも有効になるモードなのです。

■バッテリーモード

パフォーマンス
(24時間)
エンデュランス
(50時間)
ウルトラ
(120時間)
ツアー
(170時間)
GPS精度
最高 良い OK
データロギング
1秒間隔 60秒間隔 120秒間隔 1時間間隔
ディスプレイ
ローカラー ローカラー ローカラー ローカラー
ディスプレイのタイムアウト
OFF OFF 10秒 10秒
手首からの心拍測定
有効 有効 無効 無効
タッチ
OFF OFF OFF OFF
明るさ
ノーマル 20% 10% 10%
振動
ノーマル ノーマル OFF OFF
ブルートゥース
ノーマル ノーマル ON OFF

 

上は各モードの仕様表です。バッテリー持続時間が長くなるほど、機能を絞り込むことになります。ツアーモードではGPSの取得間隔が1時間……。
これって大丈夫??

そこで実際にパフォーマンスモードとツアーモードを2台の「SUUNTO 9」で同時にログを取って比べてみたのが下の軌跡です。約10km程のトレイルでしたが、大体同じ様な結果となりました。

■ツアーモード
■パフォーマンスモード

ちょっとびっくりです。その種明かしは以下の通り。
エンデュランス、ウルトラ、ツアーのバッテリーモード、またはGPS精度が「良好(Good)」か「ふつう(OK)」のカスタムモードを選択するとFusedTrack™️という機能が自動で有効になり、GPS捕捉の合い間の動きをモーションセンサーを使用して記録します。つまり、ツアーモードの場合はほとんどの動きをモーションセンサーで記録していることになるわけです。FusedTrack™️は以前からある機能なのですが、おそらくチューンナップされて精度が大幅に向上しているのでしょう。

それでは、今度は400mのトラックではどうでしょう。5分/kmのペースで3周してみました。

さすがにブレた軌跡になっています。

しかし、そもそもツアーモードは保険みたいなもので、常用することはないと思います。バッテリーに余裕があるならパフォーマンスモードで使用するのが基本です。

ツアーモードが活躍するのは、数日間の縦走ツアー、ステージレース、ウルトラクラスの大会、または充電するのを忘れた場合など。しかも、最初からツアーモードに設定するのではなく、バッテリーの消費量を見ながら途中で切り替えるという使い方になるかと思います。

「SUUNTO 9」ではバッテリー残量が20%、10%で警告が出ます。20%の時点でツアーモードに切り変えても170×0.2で、あと34時間使えることになります。

つまり、上記のテスト結果では決して精度が高いとは言えませんが、ツアーモードを保険として考えるならば、十分と言えるのではないでしょうか。バッテリーの残量を気にしたり、途中で充電しながら走るというのは、もはや昔話になりそうです。

GPSウォッチを選ぶ際、トレイルランナーの多くのはバッテリーライフを重要な選択基準としているようです。「SUUNTO 9 BARO TITANIUM」は、まさに鉄板のアイテムと言えるでしょう。

SUUNTO 9 BARO CHARCOAL TITANIUM
・価格:82,500円(税込)
・サイズ:50x50x16.5mm
・重量:66.9g
ベゼルの素材:グレード5チタン
レンズの素材:サファイアクリスタル
ケースの素材:ガラス繊維強化ポリアミド製
ストラップの素材:ナイロン製テキスタイル
・同梱物:Suunto 9 Baro Charcoal Black Titanium、長さの異なる2本のストラップ、充電ケーブル、クイックガイド、保証書
・主な機能
インテリジェントバッテリーモード
サファイアガラス
手首での心拍数
ストレスと回復
天候に関わる機能
100m耐水
タッチスクリーン
80以上のスポーツモード

■SUUNTO https://www.suunto.com/ja-jp/

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