OSPREY Viper10

容量が増えても軽量化に成功

トレイルでも街でもOKのスタイリッシュモデル

トレイルランニングに最適なオスプレーの「バイパー」がモデルチェンジしました。前モデルは10L、7L、4Lという構成でしたが、2013モデルは13Lと9Lの2モデル。これに同サイズのレディスモデルの「バーブ」が展開され、計４モデルとなります。

今回は「バイパー9」をご紹介。以前のモデルを持っている方は少しびっくりするかもしれませんが、「バイパー9」は前「バイパー10」よりも縦6cm、横2cm、奥5cm程大きいです。容量の測り方の基準が変わったのかもしれませんが、おそらく現行のサイズが一般の9Lのバックパックのイメージに近いと思います。しかし、その事よりも「バイパー9」のほうが25g軽くなっていることに注目すべきでしょう。

このダイエットの主な要因と思われるのが、2枚のプラスチックプレートを廃止して、穴あきの波型フォーム材をメッシュ素材でカバーした背面パネルに変更したことです（写真右）。これによって通気性が良く、ソフトなフィット感も得ることができました。ハイドレーションパックのレザヴォアには硬いシートフレームがついているので、水を入れても背中のフィット感には影響が出ません。ちなみにショルダーハーネスにもこのフォーム材+メッシュが使用されています。

（左）一つのファスナーがショルダーストラップまでつながっている。

（中）収納力の高いポケットが多数。

（右）フォーム材+メッシュの新しい背面パネルとストラップ。

「バイパー9」はポケットも豊富です。正面には4つのファスナーがついています。一番上にはレザヴォアを収納。実はこのファスナー、ショルダーベルト上を右の胸の辺りまでつながっています。このため、ワンアクションでレザヴォアを取り出せてストレスがありません。ただし、左側からは出せません。また、レザヴォアは自立するので吊るす必要もないのも利点です。二番目は小物を収納できるポケット。三番目がメインコンパートメントです。内部には左右に長め小物を入れられるインターナルスリーブというポケットがあります。三番目のポケットはかなりの容量を入れられ、さらに内部にメッシュのポケットが二つついています。さらに、ファスナーはありませんが一番外側のポケットとメインコンパートメントの間にショベルイットポケットもついています。こちらはファスナーの代わりにコンプレッションがついているので、ジャケットなどを放りこんでおくのに最適です。また、リッドロックを利用して折りたたみ式のポールなどを固定してもいいでしょう。

（左）リッドロックの使い方はアイディアし次第

（右）リッドロックのコードを調整する芸術品のような極小のストッパーも軽量化に貢献

ハイドレーションパックのレザヴォアもバージョンアップしています。まずはサイズが大きくなった関係で、容量いっぱい入れた状態では前モデルに比べて1cm以上低くなります。そして、作りをシンプルにした分、同じ３Ｌで30g（実測値）ほど軽くなっています。バックパックにプレートがなくなった分、水の押し出しが弱くなるかと思いましたが、以前とほとんど変わった印象はなく、水が沢山入っていれば、軽い力で吸うことができました。持ち運びに便利なハンドル、チェストストラップにマグネットで固定、バルブをまっすぐに伸ばすとロックする方式は継承されています。

「バイパー9」は現在主流となってきているベストがたではありませんが、伝統的なバックパックの完成度を高めた使いやすさが特徴です。また、トレイル以外に街でも問題なく使用できるスタイリッシュさも大きな魅力ではないでしょうか。

Viper 9