武田レッグウェアー株式会は、スカイランナーワールドシリーズのチャンピオン、上田瑠偉選手とソックスやアクセサリーのアンバサダー契約を締結。自社ブランドであるR×L(アールエル)より、上田選手と共同開発した初のトレイルランニング専用モデル「RUY SPEED」を発売しました。
テーマはスピード。
そして、裸足にどこまで近づけるか
トレイルランニングは入り組んだ凸凹の地形や急な下り坂という過酷な条件を比較的長い時間にわたって走るスポーツ。その専用ソックスを開発しようとした場合、一般的には多少のクッション性があり、蒸れに強いものが良いのではないかと考えます。
しかし、上田選手のリクエストは「より素足に近いもの」でした。
上田選手は陸上競技出身であること。さらに、現在主に戦っているスカイレースも比較的距離が短いことから、ソックスの好みはよりダイレクト感のあるソックスだったのです。
「トレイルランニングをするようになってから、ソックスの丈やサポート機能に対するこだわりが強くなりました。それで、色々履き比べるようになって、自分自身もよりソックスに対して敏感になったと思います。でも、最優先すべきは履いた感じのナチュラルさなんです。締め付けが強くもなく緩くもなく、厚くもなく薄くもなく、シューズ内での滑りも少なくて、足を守ってくれるソックスを履きたいです」
この言葉に、武田レッグウェアーの武田大輔社長も同調しました。
「私もそう思います。走っているときにソックスを履いている感覚がないのが理想です。ソックスの役割は汗の処理と靴ずれの防止が一番で、サポートはそれらの基本性能をクリアしてから考えるべきなんです」
こうして二人の目指すゴールは一致しました。開発には1年半の月日を要しました。武田社長が目指したのは15年前から考えていた、ソックスの限界を超えるソックスでした。それは思い描いていたものの製品化には至らなかった、幻のソックスだったのです。
作ったサンプルは7足。機能はすべて搭載できました。あとは素材です。上田選手には「ウール」「コーデュラ」「ナイロン」と素材を変えた3足が渡されました。ソフトで、蒸れも軽減できるのは「ウール」ですが、上田選手の選択は「ナイロン」でした。
「スピードを出す上でソックスがシューズの中で滑りすぎない。沈む感覚が少なくてうまく力が伝わる」
というのが選択のポイントでした。
こうして完成したシグネチャーモデル「RUY SPEED」は「快適性」よりも「速く」走ることを主眼に置いたソックスなのです。
「上田選手は仕事だから走っているのではなく、純粋に走るのが好きなんですよね。ですから長い付き合いができると思いました。そういう選手としかシグネチャーモデルは作らない方針なんです。ですからトレイルランニング用のソックスをこれからも共同開発していきたいです。『RUY SPEED』は長距離用ではなく、どちらかというとスプリント向けのスペックです。今後はウルトラトレイルなどの長時間のレースを視野に入れた新商品も作りたいですね」
と、武田社長は意欲的です。
それでは、「RUY SPEED」の詳細を見てきましょう。
トレイルの走りを支える9つの機能
Ancle Smart Fit製法(左)足首の動きに合わせた形状でストレスのない足さばきを実現。
Shoelace Fit構造(右)シューレース部にわずかな厚みをつけ、当たりを軽減し走行中のストレスを軽減。
Bigtoe Move Fit製法(左)親指根元の可動域を確保し、どのような地形にも追従。
Right Left製法(右)左右のつま先形状に合わせた特許製法で大地を掴む。
Achilles Cover構造(左)アキレス腱をシューズとの当たり方カバー。
Right Left Heal構造(右)踵の左右形状に合わせた特許製法で踵のズレを無くす。
Sole VentiLation構造(左)足裏薄地パイルに通気性を持たせ蒸れを軽減。Instep Outside Fit製法(右)甲の外側を引き上げ足底のゆるみを軽減。
Finger Base VentiLation構造 指の根元からのベンチレーションで蒸れを軽減。
RUY SPEED
RUY SPEED
・品番:RA-1007
・価格:2,200 円+ 税
・サイズ:S(22-24cm)・M(24-26cm)・L(26-28cm)
・素材:アクリル、綿、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタン
・カラー:(6160)フォレストグリーン/グリーン、(1020)ブラック/ブルー、(4140)ベリーピンク/ピンク
上田瑠偉選手の R×L「RUY SPEED」開発秘話はこちら
■R×L(アールエル) https://www.rxl.jp/