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丹羽薫選手に聞く「SUUNTO 9」の活用法 [スポーツモードとルートナビゲーション]

世界のウルトラトレイルレースで活躍する丹羽薫選手。2021年も7月の「Val d’Aran by UTMB」(100マイル)で2位に入賞するなど、好調を維持しています。そんな丹羽選手のお気に入りのアイテム「SUUNTO 9 PEAK」について、その魅力と活用方法を伺いました。
「GPSウォッチを持っていても時計として使っているだけではもったいない」
と丹羽選手は語ります。日本、そして海外、トレーニングや試走、レース。
それぞれのシーンでどのように活かしているのでしょうか?

 

「SUUNTO 9 PEAK」の高い完成度


ーー新商品の「SUUNTO 9 PEAK」の感想をお聞かせください。

丹羽 めちゃくちゃ気に入ってます! 小ささと軽さにビックリ!。デザインもいい。今までは女性の腕にはちょっと大きかったのですが、「SUUNTO 9 PEAK」は普段使いでも普通にカワイイです。

ーー女性には嬉しいサイズですよね。

丹羽 普段、使っていて困ることが一つもないのにも驚いています。以前は、ニューモデルが出るたびに、たとえば、データのアップロードがうまくいかないなどの問題があって、SUUNTOの担当の方にいろいろ教えてもらっていたのですが、今回はすべてすんなり! 100マイルの大きなログデータもすぐにアップロードできたし、スマートフォンとの接続も速いので、ストレスがまったくなくて快適に使用しています。スタート前のGPSの補足も早くなっていますね。また、以前のモデルは、ソフトウェアのアップデートをするときにPCとケーブルでつながなければならなかったのですが、「SUUNTO 9 PEAK」はワイヤレスで自動でアップデートされるようになったのもいいですね。ある朝、起きたらアップデートされていて感動しました。こういった細かい所の完成度が非常に上がっています。

Val d’Aran by UTMB

ーー大会でも使用しましたよね?

丹羽 はい、7月の「Val d’Aran by UTMB」で使いました。以前は100マイルの大会を走るときはウォッチを2つ用意してもらって、途中で取り替えていました。ウォッチを変えるとログも一度途切れてしまうので大変だったんですね。でも今回は「SUUNTO 9 PEAK」1台で対応できました。満充電までの時間が約1時間と大幅に短縮されたので、32時間くらいのレース時間なら、途中で少し充電するだけできれいなログが取れます。充電は走りながら胸に入れたモバイルバッテリーから腕に直接ケーブルを繋ぎました。コネクタの形状が変わって腕とウォッチの間に充電ケーブルを挟んでも安定するんです。比較的フラットで腕を大きく使わないですむトレイルを選んで、30〜1時間程度で充電したら問題なく満充電にできました。充電している間もストレスなく走ることができました。オフシャルで奨励されているやり方ではないですが……。

新しくなった充電ケーブル。もちろんマグネット仕様だ。

ーーそれはだいぶ楽になりましたね。充電時間の短縮がそこで生きてきたとは(笑)。

丹羽 「SUUNTO 9 PEAK」なら100マイルはもちろん、200マイルでもモバイルバッテリーでチャージしながら余裕で行けちゃいます。

ーーその他に良くなったところはありますか?

丹羽 ハートレートモニターですね。以前の機種では手首で心拍を計測すると、あまり精度が良くなかったんです。おそらくセンサーの精度というよりは、本体が大きかったので、私の腕にはセンサーがきっちりフィットしなかったのではないかと思っていました。そこで、レースの時は胸に心拍ベルトを着けていたのですが、長時間になるとこれがストレスになるんです。レース後半はどうせ心拍を上げられなくなるから、心拍ベルトをはずしてしまうことが多かったです。また、100マイル以上の長いレースになると、バッテリーとの関係もあって最初から心拍を測らないということもありました。ところが、「SUUNTO 9 PEAK」ではウォッチ本体の光学センサーでしっかりと計測できるので、心拍ベルトは使用しないですむようになりました。ウォッチ本体のサイズが小さくなったことで、フィットが向上して手首の上で揺れなくなり、心拍数を正確に測れるようになったのではないかな? と思っています。バッテリーのことも気にしなくて済むようになったので、いつでもハートレートモニターをオンにして走っています。

 

スポーツモードの設定とルートナビゲーション

 

ーー「SUUNTO 9 PEAK」のスポーツモードをどのように設定しているか教えていただけますか?

丹羽 はい、このような表示にしています。この2画面の他、ルートナビゲーションを使用するので、ルートナビゲーション機能のメインディスプレイ(マップ)と高度プロファイルディスプレイが表示されて、合計4画面になります。
マップを見ることが多いので、画面数を少なくしてすぐルートナビゲーションの画面に移動しやすいようにしています。

1. 高度 現在位置の高度を知る。自分があとどれくらい登らなければ(降らなければ)ならないのかを把握するために見ています。
2. 心拍数 私は心拍数が低い(丹羽選手の最大心拍数は180台後半)ので、レースの時は登りと平地で150くらい。下りは心拍数が落ちるのであまり気にしていませんが、130を超えると頑張り過ぎなので気をつけるようにしています。普段のトレーニングでは下限を130くらい、上限は170くらいに設定しています。高過ぎても低過ぎてもアラートが鳴ります。自分が感じている負荷と実際の負荷を比べることも大切です。たとえば、体感としてはかなりしんどいのに心拍数を見るとそれほどでもない場合もあります。体調が良くないのか? 疲れが溜まっているのか? 貧血なのか?(私は貧血気味なので)ということ推察するバロメーターになります。
3. 合計 一番大切なのは経過時間なので大きく表示するようにしています。これを見ながら自分の計画と照らし合わせて確認します。
4. 距離 次のエイドまであと何キロか? などを確認しながら走ります。

私は45分に一回補給するようにしています。ですからラップの設定を45分にしています。「ピピッ」と「ブルッ」がきたら「あ、補給しなきゃ」って感じですね。
1. ラップ距離 どれだけ進んだか、距離を見ます。
2. ラップ継続時間 45分に設定しています。
3. ラップ上昇 トレイルランニングは高低差があるので進んだ距離だけではなく、どのくらい登ったかも見るようにしています。

ラップは手動で使うこともあります。試走しているときにエイドごとに手動でラップを取ってエイド間の時間を測っておいて、レース用のタイムチャートを作るときの参考にします。普段のトレーニングの時は折り返し地点でラップを取っておいて過去のタイムと比べたりもしますね。

(左)ナビゲーション機能のメインディスプレイ。(右)高度プロファイルディスプレイ。

ーールートナビゲーションはいつも使っているのですか?

丹羽 そうですね。ルートのデータは常に入れておきます。ナビゲーション機能を使うときは、GPSは最高の精度に設定しています。もちろん、マーキングが多い大会ではマップを見る機会は少ないです。不安になったら確認する感じですね。マーキングがなかったり、少なかったりする大会や、練習でよく知らないコースを走るときなどは、頻繁にマップを確認します。コースから外れるとウォッチが教えてくれるので、おかげで何度も大きなロストを免れています。マーキングがないなと思ったら、すぐにウォッチを見ることが大切ですね。

ーースマートフォンの地図アプリも併用していますか?

丹羽 はい。ちょっとマイナーなんですが「MAPS ME」という地図アプリに等高線のレイヤーを表示して使っています。スマートフォンのアプリの方が見やすいので、ハイクならスマートフォトンだけでもいいのですが、トレイルランニングではスマートフォンを頻繁に出し入れするのは大変なので、ウォッチをメインに見て大体のところを把握して、分岐や等高線の間隔が広いところはスマートフォンの地図アプリで確認するという使い方をします。

ーーGPSウォッチの活用術で、一般のトレイルランナーへのアドバイスを何かお願いします。

丹羽 4月に富士山100マイルチャレンジというレースを開催したのですが、コースマーキングはなしだったんです。それで、レース直前に参加者からウォッチへのGPSデータ(ルート)の取り込み方の質問がとても多かったんですね。やはり普段からルートをウォッチに入れてルートナビゲーションしながら走るということに慣れておくことが重要だと感じました。GPSウォッチをレースでスムーズに活用するためには、普段のトレーニングから同じように使いこなしておくことこそが一番の秘訣なんです。

ーーありがとうございました。

Val d’Aran by UTMB

丹羽薫(にわ・かおり)
ウルトラトレイルランナー / 山岳アスリート
愛犬を連れて里山を散歩がてら走ることから始まり、より遠くへ、より速く自分の脚で、自然の中を旅をすることに魅せられ、気がつけばウルトラトレイルランナーに。でも走ることよりも登ることや、スキーで滑ることの方が好きなので、ランナーと言うよりは山岳スポーツ愛好。海外レースにチャレンジすることで、世界中の色々な山域を自分の脚で旅するのも楽しみの一つ。
2017年のウルトラトレイルワールドツアー年間ランキングでは世界ランキング6位、
2016年~2018年の3年間の成績で評価される世界ランキングでも6位を獲得

主な戦績
2021年 Val d’Aran by UTMB 2位
2020年 シガイチFKT 438km D+28300m を6日12時間で最速記録達成
2020年 くろんど輪舞曲170㎞ 優勝
2019年 TOGA天空トレイルラン 優勝
2019年 Ultra Trail New Caledonia 130km ニューカレドニア 3位
2019年 Andorra Euforia ペア220km アンドラ 男女混合2位、総合4位
2019年 Tor Des Geant 330km イタリア 5位
2019年 Oman by UTMB 160km オマーン 優勝
2018年 Gaoligong by UTMB 160km 中国 2位
2018年 Ultra-Trail Mt. Fuji 2018 168km 2位
2018年 Hardrock 100 160km アメリカ 4位
2018年 Formosa Trail 104km  台湾 2位
2017年 2017 TsaiGu TangSi Trail(UTGK) 100km 中国 優勝
2017年 Andorra Ultra Trail 170km  アンドラ公国 2位
2017年 UTMB 164km  フランス 4位


SUUNTO 9 の製品情報はこちら

SUUNTOのニューモデルレビューや活用方法などの情報が満載。SUUNTO スペシャルインデックスページはこちら↓

 

 

■SUUNTO https://www.suunto.com/ja-jp/

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