TrailRunner

【Interview】岩井絵美「今シーズンは海外レースでも結果を残したい」

@rightup_inc

 

トレイルランニングは心がクリアになる爽快感が、たまらない魅力

2023年にアスリートとして活動を始めて以来、多くのレースで結果を出している注目株の岩井絵美選手。THE NORTH FACEのアスリートとなり、「Mt.FUJI 100」の「ASUMI」(40km)に出場するタイミングでインタビューする機会をいただきました。

 

@Doryu Takebe

 

 

ーートレイルランニングを始めたきっかけをお聞かせください。

岩井 学生時代は女子駅伝をやっていたんですけど、大学2年生のときに怪我や、心の負担が原因で辞めてしまって、そこからしばらく走らなかったんです。社会人になってから友達にマラソンに誘われたのがきっかけで、また走り始めました。そして、練習で河川敷のような単調なコースをずっと走るのだったら、山を走った方が気持ちいいんじゃないか? と思って、マラソンの練習のために山を走ったのがトレイルランニングの魅力を知るきっかけでした。

ーー登山などはしたことがあったのですか?

岩井 小さい頃から山が好きで、ハイキングにはよく行っていました。

ーートレイルランニングの魅力はどんなところですか?

岩井 無心になれるところですね。自然の中を走るというのは本当にフレッシュになる。自分が悩んでいることは小さいことなんだなって思えるくらい、心がクリアになる。そういう爽快感がたまらなくてトレイルランニングにハマりました。

ーー現在はどのような活動をされているのですか?

岩井 チームの運営をしながら、アスリートとしてトレーニングも行っています。チームの活動としては週末をメインに月に10日程度。その他の日は自分のトレーニングをしながら事務作業なども並行して行っています。アスリートとしての環境は恵まれている方だと思います。

 

@rightup_inc

 

ーー自分が得意な距離やシチュエーションを教えてください。

岩井 距離でいうとミドルディスタンスで、50kmから100kmぐらいのカテゴリーが身体的にも性格的にも一番合っているし、得意だと思っています。コースの特性で言うと、どちらかというとテクニカルよりは、ほどほどに走りやすいコースが好みで、スピードを生かしながら走りきれるコースが合っていると思います。

ーー自分の強みはどんなところですか?

岩井 自分のスピードを生かせるパートですね。例えば峠とか林道とか緩やかな起伏の、走れる登りが得意です。大会の中でもそういう区間のタイムが速いことが多いです。逆に下の岩場は得意ではなくて、かっこよく下れないです(笑)。

ーー現在、課題として取り組んでいるのはどんなことですか?

岩井 怪我が長引いてしまって、スピードを維持する力が落ちているので、そこを戻すようにトレーニングしています。

 

THE NORTH FACE アスリートとしての緒戦は「ASUMI」(40km)

ーー今回、「Mt.FUJI 100」の新しいカテゴリー「ASUMI(あすみ)」(40km)にエントリーしたのも、まだ本調子ではないことが理由ですか?

岩井 そうですね。怪我の影響を3月まで引きずってしまったので、そこから約1ヶ月で長い距離を走るには練習量が足りなくて、脚が持つかわからなかったので「ASUMI」に出場することにしました。

 

@Doryu Takebe

 

ーー実際に走ってみた感想をお聞かせください。

岩井 40kmで1600mほどしか登らないので、すごく走れるコースです。後半は登って、最後はまた走れるので、「FUJI 100mi」のコースのいいところ取りをした感じで、すごく楽しかったです。

ーー女子総合3位という結果はどのように受け止めていますか?

岩井 緊張感あるレースで、今の自分の走りができたことは素直に嬉しいです。スピードレースになると予測していましたが、その予想以上に、序盤からペースが速かったですね。自分も頑張ったつもりでしたが、前の2人とはレベルの差があり、後半は数分離されてしまいました。やはり、圧倒的に練習量が足りなかったと思います。半年間ほとんど走れなくて、そこからようやく走れるようになって1ヶ月間の練習で臨んだので、力不足を感じました。スピード的にはトップの方々と戦えるものはあると思うので、あとはそのスピードをどれだけ維持できるかを今後トレーニングしていきたいです。

 

THE NORTH FACE アスリートトークショー。 @Doryu Takebe

 

ーーメインで履いているシューズはなんですか?

岩井 THE NORTH FACEの「Summit Vectiv Sky 2」です。今回の「ASUMI」でも履きました。「Summit Vectiv Sky 2」は安定感があってスピードも出せるシューズだと思います。安定感という意味ではアウトソールのラグが5mmと深いので、接地したときにしっかりと路面に噛んでくれて、ぐらつかないところが気に入っています。とくに下りが苦手な人には合っていると思います。また、カーボンプレートが入っているので林道やロードはスピードに乗ることができます。

ーーその他に履いているシューズはありますか?

岩井 50〜60kmくらいまでは「Summit Vectiv Sky 2」を履いていますが、それより長い距離では「Vectiv Enduris 4」を履いています。ソールの反発は「Summit Vectiv Sky 2」よりもおとなしいですが、その分クッションがしっかりあるのでロングディスタンスにフィットしますね。

 

(左)Summit VECTIV Sky 2 ・価格:29,700円(税込) ・商品ページ:UNISEX 🔗(右)VECTIV Enduris 4 ・価格:24,200円(税込) ・商品ページ:Men’s 🔗  |  Women’s 🔗

 

【Review】THE NORTH FACE 「Summit VECTIV Sky 2」「VECTIV Enduris 4」

 

ーーバックパックはどのモデルを使用していますか?

岩井 ミドルレースでは「fumu」、ロングでは「TR10」を使用しています。どちらもとにかく揺れなくて、汗をかいても匂わないのがいいですね(笑)

 

(左)HST Fume 6 ・価格:¥23,100(税込) ・商品ページ:UNISEX 🔗
(右)TR 10・価格:¥24,970(税込) ・商品ページ:UNISEX 🔗

 

 

@Doryu Takebe

 

今年は海外のレースでもしっかりと結果を出したい

ーー今シーズンの出場予定のレースを教えてください。

岩井 まずは6月の「Kaga Spa Trail Endurance 100 by UTMB」(100km)で結果を出したいです。その先は9月の「世界マウンテン・トレイルランニング選手権大会」(スペイン)の代表に選考されたら頑張ります。10月は「ハセツネCUP」(71.5km)。そして、12月の「Chiangmai Thailand by UTMB」(100km)に出場する予定です。今年は海外のレースでもしっかりと結果を出したいですね。

ーー中長期的な目標はどんなことですか?

岩井 「UTMB」の「CCC」(100km)に出場して、できるだけ上位に食い込みたいというのが大きな目標です。

ーー100kmというディスタンスに不安要素はありますか?

岩井 2024年に100kmのレースに2本出場して優勝することができたのですが、内臓のトラブルなどもなかったので、練習を積んでいけばしっかりと走れると思います。

ーーこの先は、どんなトレーニングをしていく予定ですか?

岩井 現状は、怪我の影響を3月頃まで引きずっていたので、長い距離は練習量が足りていないので、スピードを維持する力を高める練習をしっかりやっています。今後は月に何回かは50kmくらいのロング走をしっかりしたペースで走るトレーニングを組み込んでいきたいです。月間の走行距離と累積標高も底上げしたいですね。今は月間400kmちょっとなので500kmくらいに伸ばしていきたいです。2年前に会社員を辞めて走ることに集中できる環境になったので、与えられた環境を大切にして後悔のないよう力を出し切りたいです。

ーーアスリートとしての活動以外では何か考えられていますか?

岩井 山を走るスポーツで多くの良い経験をさせてもらっているので、環境を大切にするという点も意識していきたいです。とくに登山道整備やクリーンアップ活動など、チームでイベントとして取り組み、みんなで山を大切にしていく活動をしていきたいと思っています。

ーーありがとうございました。

 

@Doryu Takebe
Profile

岩井絵美
いわい・えみ 1991年、栃木県生まれ。中学・高校時代は陸上競技の中・長距離種目で活躍し、大学では女子駅伝の強豪校に進学するも、故障や精神的な負担で大学2年で競技を退く。卒業後、再び走り始め、フルマラソンの練習で山を走ったことからトレイルランニングの魅力に取り憑かれる。2023年には会社を退職し、プロのトレイルランナーである夫、岩井竜太が立ち上げたランニングチーム「竜太練」の運営にも携わる。現在は、高尾山系を拠点に競技力向上を目指しながら「竜太練」の活動を通してトレイルランニングの魅力を広めている。

2024年 Mt.FUJI100 KAI 70K 女子総合2位(男女総合12位)
2024年 阿蘇ボルケーノトレイル112km 女子総合優勝
2024年 志賀高原100 女子総合優勝
2024年 ハセツネCUP 70K 女子総合2位
2024年 APTRCアジア選手権ロング80K 女子総合8位

 

 

■THE NORTH FACE RUN
https://www.goldwin.co.jp/tnf/run/

 

■VECTIV 3.0: https://www.goldwin.co.jp/

 

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