圧倒的なクッションを持ちながら、安定感も推進力も◎
癖になりそうなオールラウンドシューズ
マックスクッションシューズの元祖、HOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)のトレイルランニング用シューズの中でも、最も厚底で、最もクッション性の良いシューズが「STINSON ATR 4(スティンソン ATR 4)」です。商品名のATRはALL TERRAINの略で、舗道、砂利道、凹凸のある岩のトレイルなど、全路面に対応できるということ。数字の4は文字通り4世代目であることを示しています。
ソールのスペックはヒール37mm、フォアフット32mmと大迫力。同じATRカテゴリーの「CHALLENGER ATR 3(チャレンジャー ATR 3)」がヒール29mm、フォアフット24ですから、全体に8mmも高い設定です(ドロップはどちらも5mm)。厚さだけではなく幅もワイド。それゆえ、アッパーも横幅にボリュームがあるため、窮屈に感じるランナーはほとんどいないと思います。アッパーの作りは補強がしっかりと入っていて、がっちりしているので、強度不足で足がブレる心配はありません。トウキャップもしっかりしていて、トレイルでのプロテクトも問題はないでしょう。シュータンの付け根からトウの部分にはHOKA ONE ONE独特の補強があり、シュータンを引き込みながら履いてもトウ部分が吊れることがありません。
圧倒的なボリュームのミッドソールは絶大なクッションを誇ります。ただし、腰が抜けるようなふわふわなクッションではありません。トウ、ヒール共にエッジ付近に荷重するとしっかり感があり、センター部分に荷重すると柔らかいフィーリングとなります。ワイドボディの安定感も相まって、バランスを崩す心配がないのは、履いてみればすぐに判ります。まるで自分の足が二回りほど大きくなったような安定感です。推進力に関してもロッキングチェアのようにローリングするメタロッカーテクノロジーのおかげで、前方への体重移動を自然にサポートしてくれるため、すんなりと前に進みます。ローリングは特に踵部のほうに強さを感じました。ヒールが厚くても踵が引っかかる感じは全くありませんでした。蹴り込んでいくタイプの走り方よりも、体重移動をうまく使うような走法がマッチします。
ラグは硬さも形状もトレイルに鋭く突き刺さるタイプではなく、マイルドにグリップしてくれます。乾いたトレイルや林道のようなオフロードを最も得意とするでしょう。もちろん、舗装路でもロードランニングシューズのような感覚で違和感なく走ることができます。
HOKA ONE ONEのシューズはソールが厚く、ルックスだけ見ると重厚そうに見えますが、実際の重量は驚くほど軽く、初めて履いたランナーはびっくりするかもしれません。その中にあって今回の「STINSON ATR 4」は重量感があります。しかし、それは欠点というよりは利点と感じることができます。トレイルの凹凸をものともしない重厚なキャタピラのような安定感を得られるからです。
「STINSON ATR 4」はウルトラトレイルなどのロングディスタンス用、または足への負担をなるべく軽減したい方に是非とも選択肢に入れていただきたいシューズです。
STINSON ATR 4(スティンソン ATR 4)
■価格/21,000円+税
■構造
M’s:オフセット:5mm ヒール:37mm フォアフット:32mm
■重さ/MEN:336g
■サイズ/MEN:7–12
■カラー/MEN:1色
■アッパー/テキスタイル
■ソール/ラバー
■テクノロジー/MIDSOLE VOLUME、ACTIVE FOOTFRAME、META ROCKER GEOMETRY
■HOKA ONE ONE https://www.hoka.com/jp/