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【HOKA Special Interview】福島 舞 × TECTON X 「勝ちたいというよりは、楽しく走りたい」

大会に出場すれば、かなりの確率で表彰台に登るのだから、相当なトレーニングをしているはず。でも、6000m級の山にも登り、初めての100マイルにもチャレンジするという自由なスタイルにはストイックな印象がありません。それがトレイルランナー以外の人種も引きつけてしまう要因なのかもしれません。そんな彼女が惚れ込んだシューズが「TECTON X」です。

レースからエベレストまで、山を遊び尽くす

――コロナ禍ではどんなトレーニングをしていましたか?

福島舞(以下、福島) 行きも帰りも通勤ランでした。電車を一切使わずに通勤しようと決めていたので、みんながどこにも行けないと言っていた頃は、今よりだいぶ多い月間走行距離でした。

――トレイルランニングに対する取り組み方に変化はありましたか?

福島 基本は変わらないです。私はやっぱり楽しく走りたいというのがベースにあります。楽しく走るためのトレーニングはもちろんしますけど、レースで勝ちたいというよりは、レースを楽しむために基本的な走力を上げていきたいです。

――楽しいと感じるのはどんな時ですか?

福島 いろいろな景色を見ながら走っている瞬間だったり、下りを走り抜けている時の感覚だったり。レースで言ったら、やっぱり苦しい場面もあるけどゴールですべてが報われるみたいな部分もありますよね。でも、それはすべて自分が納得できる走りができるから楽しいわけで、そのためにトレーニングをするというスタイルですね。

――ディスタンスで言うと、どのくらいが好きですか?

福島 そうですね。みんな100kmや100マイルが普通になっている中で、私は20kmとか50kmあたりのショートからミドルディスタンスが多いですね。近々では6月のマウント湯沢アウトスタンディング(57km)にエントリーしています。でも「ロングレースは出ない!」と言う訳でもないです(笑)。11月にはアメリカで100マイルのレースにもチャレンジする予定です。「リオデルラーゴ(Rio Del Lago)100マイルエンデュランスラン」。というレースで「ウエスタンステーツ(Western States)100」の予選にもなっています。

――2021年にエベレスト街道に行かれたのは書籍「シェルパの友だちに会いに行く: エベレスト街道日誌2021」(青土社)の出版のためですか?

福島 書籍を出すために行ったわけではないんです。10年ほど前に写真家の石川直樹さんにお会いしたときに、「私、山を走ってるんです。エベレスト街道に行く機会があったら連れて行ってください」というような軽い感じでお話ししたのですが、それを思い出してくださったみたいで、誘っていただきました。コロナ禍でシェルパの方々の仕事がないということで、石川さんは義援金を届けるというのが渡航目的だったんです。

――面白いご縁ですね(笑)

福島 それまで私は冬山に登ったこともないし、ほんとうにエレベスト街道にいきたいという思いだけだったのですが、石川さんから「ついでにロブチェピークという6000m級の山にも登ろうよ」と誘ってもらって、「えー!? 私でも登れるのですか?」と聞いたら「トレイルランナーだったら大丈夫でしょ」と言われて(笑)。それから2週間後に出発だったので慌ただしく準備をして出かけました。エイプリルフールの日に誘ってもらったので、嘘かと思うくらい(笑)。

――エベレストに興味があったのですね。

福島 はい。石川さんのトークイベントに行ったりして、エベレストの話を聞いてから、「いつか行きたい。目の前でエベレストを見てみたい」と思っていました。

――出版の話はいつ決まったのですか?

福島 それは現地で(笑)。エベレスト街道を歩いていて、途中で雪が降って進めなくなって、1日同じ宿に停滞するという日がありました。そこでみんなで集まっていたと時に「この旅を書籍にしないか?」みたいな話になって、「じゃあ今、企画書を書くよ」となり、その場で上司に送って、そこでLINE電話しながら企画を通してもらいました(笑)。

――どんな経験をしたのですか?

福島 エベレスト街道沿いを宿に泊まりながら進みました。2日目くらいから富士山ほどの標高になり、さらに少しずつ上がっていきました。高度に順応しながら進んだので、毎朝走るのを旅の日課にしていました。ジョグでも心拍数がだいぶ上がりますが、走れないこともないという感じ。高山病にもなりませんでした。ただ、ロブチェピークに登った時は「これ全然違うわ」というくらいきつかったですね。「6000mの山に登るというのは、こんなにも違うんだ」と痛感しました。足を一歩出すごとに、空気がない……! みたいな(笑)。でも、それを登りきれたのもトレイルランのおかげかもしれません。石川さんが「トレイルランナーはすごい」って連発してくださいました。それで、石川さんも帰ってからもトレイルランを始めたたそうです(笑)。

「TECTON X」はHOKA史上、NO.1のお気に入り

―― トレイルランニングではどのシューズを履いていますか?

福島 以前は「CHALENGER ATR(チャレンジャーATR)」をしばらく履いていたのですが、その後「SPEEDGOAT (スピードゴート)」も履くようになり、今は「SPEEDGOAT 5」と「ZINAL(ジナール)」をサーフェスによって履き分けています。走りやすいトレイルでは「ZINAL」、北アルプスのようながっつりした山に行くときには「SPEEDGOAT 5」ですね。

――ニューモデルの「TECTON X」はどうでした?

福島 いいです!「ZINAL」に近い感覚でよりクッションと反発があり、サイドから足が包まれるようなフィーリングもあって、蹴り出しの時にソールが回転しながら反発も感じられます。スピードを出したいトレイルでは最高ですね。林道の下りでは石を踏んでも気にならないし、とにかく疲れにくかったです。

――いわゆるHOKA独特の厚底感は感じますか?

福島 それほど強くは感じませんが、「SPEEDGOAT」のグリップ力、「CHALLENGER ATR」の走りやすさが集約されている感じがします。HOKAはいつも進化していて、「過去のあのシリーズのほうがよかったな」っていうのはない。2021年に登場した「ZINAL」はHOKAで1番いいと思ったし、今回の「TCTON X」を履いたら、さらに上回っていました。ランナーのニーズに常に応えて、どんどんアップデートされていると思います。でも柔らかさや走りやすさという根本は変わらないところもすごいです。

――カーボンの反発を感じますか?

福島 そうだと思うんですけど、そこまで爆発的ではないので扱いやすいです。HOKAのロードのカーボンシューズと基本は同じようなフィーリングです。蹴り出しの時に母子球の少し後ろくらいに荷重がかかると加速感がすごい。平地や下りはもちろんですが、緩めの登りでも加速感を感じます。

――難しさは感じなかったですか?

福島 はい。この加速感を安定して発揮できるのはサイドのホールド感が高いからだと思います。安心して進ませてもらえるという感じです。危なげなく進んでいるうちに、もう次の一歩が自然に出ています。

――グリップはどうですか?

福島 アッパーもクッションも柔らかいのに、グリップ力は素晴らしくて、そのメリハリにびっくりです。路面に吸い付くように噛んでくれます。

――例えば「SPEEDGOAT 5」比べるとどう違いますか?

福島 「SPEEDGOAT 5」よりクッションが柔らかいと感じました。「ZINAL」に近い感じですが「ZINAL」は薄さがポイント。「TECTON X」は柔らかさ、厚さ、ホールド、グリップ、そしてカーボン。そうなんです。つまり1番いい!

――メインで履きたいくらい?

福島 メインで履きます。北アルプスのような山に行くときは、ずっと「SPEEDGOAT」を履いていたのですが「TECTON X」でも行ってみたいです。

――一般ユーザーだったらどんな方にお勧めしたいですか?

福島 基本的にはスピードシューズなので走力のある方が対象だと思いますが、私は初めて走る方にもお勧めしたいです。林道が絨毯みたいに感じられると思います。また、ロードシューズとの差をあまり感じないので、普段はロードを走っている方がトレイルに挑戦したいという時に履いてもらうと、違和感がなくすんなり走れると思います。

――ありがとうございました。

福島 舞
北海道函館市出身。2010年に「おんたけウルトラトレイル」に出場して以来トレイルランニング界で活躍。多くの大会で優勝、入賞の実績を持つ。フルマラソンでもPBは2時間54分41秒。現在は出版社に勤務する編集者。2021年には写真家、石川直樹氏に同行しエベレスト街道へ。同年に「シェルパの友だちに会いに行く -エベレスト街道日誌2021-」(石川直樹著・青土社)を出版。2022年には初の100マイルレースにも挑戦する予定。はこだて観光大使、市営函館けいりん宣伝大使。

TECTON X
(テクトン エックス)
・価格:¥29,700(税込)
・展開
Men’s (25.0–29.0, 30.0cm・1色・240g/27cm) ソールスペック: オフセット5mm/ヒール32mm/フォアフット27mm
Women’s(22.0–25.0cm・1色・196g/24cm) ソールスペック:オフセット5mm/ヒール30mm/フォアフット25mm
・カラー:Men’s Persimmon Orange/Radiant Yellow、Women’s Camellia/Blue Coral


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【Review】HOKA「TECTON X(テクトン エックス)」

■HOKA https://www.hoka.com/jp/

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