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THE NORTH FACE アスリートが「ウルトラトレイルマウントフジ」100mileの装備を公開

2023年4月21日〜23日に開催される日本最大級のトレイルレース「ウルトラトレイルマウントフジ」。距離約165.3kmの「FUJI」カテゴリーに参戦するTHE NORTH FACE アスリートに、現在考えている装備を公開していただきました。

 

Runner:土井陵 Photo:藤巻翔

 

協力していただいたのは土井陵選手、鬼塚智徳選手、松永紘明選手、横山峰弘選手、志村裕貴選手、鏑木毅選手です。
同大会に出場する方、ロングレースに出場予定の方は必見です。

 

(上段左より)土井陵選手、鬼塚智徳選手、松永紘明選手(下段左より)横山峰弘選手、志村裕貴選手、鏑木毅選手。プロフィールはページ下部をご覧ください。
※掲載した装備は2023年3月時点にアスリートが考えているもので、出走時には変更している可能性があります。

 

ーー シューズは何を履く予定ですか?

 

土井:SUMMIT VECTIV PRO

鬼塚:SUMMIT VECTIV PRO

松永:Flight VECTIV  or  VECTIV Infinite

横山:SUMMIT VECTIV PRO

志村:VECTIV Infinite II

鏑木:SUMMIT VECTIV PRO

 

ーー 途中でシューズを履き替える予定はありますか? 履き替える場合はどのシューズですか?

 

土井:あり→ SUMMIT VECTIV PRO or SUMMIT VECTIV SKY

鬼塚:なし

松永:なし(もし履き替えなら同じモデル)

横山:なし

志村:あり → VECTIV Enduris III

鏑木:あり → SUMMIT VECTIV PRO

 

やはり一番人気は「SUMMIT VECTIV PRO」ですが、トップアスリートでもハイグリップな「VECTIV Infinite II」やマイルドな反発の「VECTIV Enduris III」を選ぶこともあるようです。

土井選手は、ミッドソールの反発が減少することを想定して同じシューズ(SUMMIT VECTIV PRO)を履き替えるか、杓子山はテクニカルなサーフェスのため足さばきがしやすい「SUMMIT VECTIV SKY」に履き替えるといいう選択肢もあるとのこと。

SUMMIT VECTIV PRO 🔗メンズ 🔗ウィメンズ

(左)SUMMIT VECTIV SKY 🔗メンズ 🔗ウィメンズ
(中)VECTIV Enduris III 🔗メンズ 🔗ウィメンズ
(右)VECTIV Infinite II 🔗メンズ 🔗ウィメンズ

 

THE NORTH FACEのニューモデルシューズはこちらのページでも紹介していますのでご覧ください。

【Interview】THE NORTH FACE 「VECTIV™ 2.0」 新商品4モデルの選び方

 

 

ーー バックパックは何を着用する予定ですか?

 

土井:Summit Run Race Day Vest 8

鬼塚:TR 6

松永:MARTIN WING 6

横山TR ZEROTR 6、Summit Run Race Day Vest 8のうちどれか

志村:TR 6

鏑木:TR 10

 

バックパックはやはり安定のTRシリーズが多数派。「FUJI」は100mileでもエイドが充実しているのでアスリートなら6Lで対応可能ということですね。

松永選手は「MARTIN WING 6」をチョイス。「揺れずに体にフィットするようにベルトで調整できる」ことが理由だそうです。

土井選手は「Summit Run Race Day Vest 8」を使用するとのこと。

 

 

(左)TR 6  🔗 ユニセックス (右)TR 10  🔗 ユニセックス

Summit Run Race Day Vest 8  🔗 ユニセックス

 

ーー パッキングのコツ、ポケットの使い方などありましたら教えてください。

 

土井:できるだけ物を少なく小さくミニマルに、ジェルは腰回りのポケット。かさばる保温着などはジップロックでできるだけ圧縮する。探さなくていいように、普段から同じ場所(ポケット)に同じもの(ジェル等)を入れる。

松永:最小限の荷物だけ持ちできるだけ軽くする。

横山:使用しないものは、一番下へ。ポケットには、補給食。

志村:前方のポケットに補給食を入れ、常に取り出しやすいようにしておく。背中への接触(硬いものが背中に接触しないように)のストレスを考えてパッキングを行う。

鏑木:フロントポケットには最も使用頻度が高いジェルを収納。必携装備でもほとんど使用しない可能性が高いものと予備の食料は防水パックに収納し、パックの最深部に置き、使用頻度が高いと思われるウェアー類、予備バッテリーなどは別の防水パックでパック上部の取り出しやすいポジションに置きます。脱ぎ着することが多いアウターはすぐに取り出せるパック背面に収納することが多いです。

 

 

ーー レインウェア何を持つ予定ですか?

 

土井:快晴:Strike Trail Jacket / Strike Trail Pant
______雨天:HYPERAIR GTX Hoodie

鬼塚:快晴:Strike Trail Jacket / Strike Trail Pant
______雨天:HYPERAIR GTX Hoodie

松永:GTX Trail Endurance Jacket / GTX Trail Endurance Pant

横山:小雨以下:GTX Trail Endurance Jacket / GTX Trail Endurance Pant
______雨や雪の場合:HYPERAIR GTX Hoodie

志村:GTX Trail Endurance Jacket / Strike Trail Pant

鏑木:晴天:Strike Trail Hoodie / Strike Trail Pant
______天候に不安がある場合:ジャケットはHYPERAIR GTX Hoodie

 


(左)Strike Trail Hoodie
(中)HYPERAIR GTX Hoodie 🔗ユニセックス
(右)GTX Trail Endurance Jacket 🔗ユニセックス

 

レインは天候によって変える選手が多いです。天気が良く、レインウェアを使用する可能性が低い場合は軽量でコンパクトなもの。雨の予報なら重量があっても信頼性重視。表地にメンブレンを直接貼り付けた「HYPERAIR GTX Hoodie」(GORE-TEX Active with SHAKEDRY Product Technology)を選んでいるようです。

鏑木選手は「Strike Trail Jacketは比較的生地が薄目で軽量であるため降雨があまり予想されない状況下に持ちますが、本格的な雨が予想される時には生地が厚いHYPERAIR GTX Hoodieを持ちます。生地が厚めなジャケットは重量が重くなりますが、ジャケットの生地のハリでミッドウェアとの間に中空空間ができることで、雨の冷気による体温低下を防ぐ効果があります。そのためより低体温症などのリスクを防いでくれます」とのこと。

土井選手は「雨のトレイルは2.5層のGTXが安心です。少し大きめの作りで、パックの上から羽織ることができます。これが本当に便利。パックも濡れることがなく、よく考えられた形状です。水分補給する際は、全面のチャックを開けるだけ。張りのある生地感で肌への接触を防ぎ、内側からの濡れも軽減されています。雨の日はもちろん、オールマイティーに使うことができるレインですね」と解説していただきました。

 

ーー 保温着は何を持つ予定ですか?

 

土井:Ventrix Trail Jacket

鬼塚:Ventrix Trail Jacket / Swallowtail Vent Long Pant

松永:Ventrix Trail Jacket

横山:Ventrix Trail Jacket、Expedition Dry Dot Zip Highのどちらか

志村:Ventrix Trail Jacket / Ventrix Trail Pant

鏑木:Ventrix Trail Jacket / Ventrix Trail Pant

 

かさばりがちな保温着ですが、一択と言えるほど支持をえているのは「Ventrix Trail Jacket & Pant」。重量は上下合計しても約275g(Lサイズ)とインサレーションとしては圧倒的な軽さを誇る鉄板装備といえます。

志村選手は「Ventrix Trail Jacketは、小さくなるだけでなく、オーバーヒートを防ぎながら着続けることができる」のが選択した理由。

横山選手は「Expedition Dry Dot Zip High重量が軽いですが、かなり優秀です」と高く評価しています。

 

(左)Ventrix Trail Jacket 🔗ユニセックス
(右)Ventrix Trail Pant 🔗ユニセックス

 

ーー ヘッドランプは何を使用しますか?

 

土井:Milestone MS-F1 Trailmaster

鬼塚:Milestone MS-F1 Trailmaster、UltrAspire LUMEN600(ウエストライト)

松永:Petzl SWIFT RL

横山:LED LENSER

志村:LED LENSER

鏑木:Petzl NAO RL

 

ーー 行動食は何を用意しますか?

 

土井:GU ロクテインドリンク、ジェル(メダリスト、ANDO)、MAGMA、カツサプ

鬼塚:ジェル(粉飴)、ゼリー(カロリーメイト)、わらび餅(セブンイレブン)

松永:KODA ジェル&エレクトロライト

横山:スポーツゼリー、スポーツドリンク、電解質系サプリ

志村:ジェル ようかん エネモチなど

鏑木 :GU リキッドエナジー、チャレンジャーパワーリキッドが中心

 

ーー ドロップバッグには何を入れますか?

 

土井:着替え(Tシャツ、ノースリーブ、靴下)、アームウォーマー、替えのレイン、替えのライトバッテリー、補給食

鬼塚:着替え、レッドブル、モンダミン

松永:無し

横山:スポーツゼリー、コーラ、プロテインドリンク、ティッシュ、タオル、着替え、ゴミ袋、予備ヘッドライト、予備カップ、予備フラスク、サングラス、ウェットティッシュ、果物

志村:替えのシューズ

鏑木:替えのシューズ、ジェル、ライトバッテリー、着替えなど

 

いかがでしたか? アスリートの方々は、皆こだわりがあるチョイスをしているのでとても興味深かったのではないでしょうか? ぜひ参考にして、装備選びをしてみてください。

 

Profile

 

土井陵(どい・たかし)
1981年、大阪府生まれ。30歳から本格的に走り始め、2014年夏には「ウルトラトレイルマウントフジ」に初出場し、総合15位、日本人3位。2015年には世界最高峰の「ULTRA-TRAIL DU MONT-BLANC(UTMB)」に初出場し、日本人最高位の11位でフィニッシュ。その後も輝かしい成績を収め続け、2022年は「ウルトラトレイルマウントフジ」で準優勝、日本海から太平洋まで415kmを駆け抜ける山岳レース「トランスジャパンアルプスレース(TJAR)」で大会記録を大幅に短縮する4日間17時間33分の新記録で優勝。

 

鬼塚智徳(おにつか・とものり)
1980年、福岡県生まれ。実業団時代は1999年世界クロスカントリー日本代表、2000年「全日本実業団ハーフマラソン」3位(1:01:37)、2005年「別府大分毎日マラソン」(2:12:48)などの成績を収める。引退後、トレイルランニングの魅力にとりつかれ2014年の「STY」で3位、翌年の「ウルトラトレイルマウントフジ」で11位、さらに2016年は3位入賞を果たす。2019年にはアメリカの「Waldo100K」では、トップと同着でゴール。海外のレースにも積極的に取り組んでいる。

 

松永紘明(まつなが・ひろあき)
1980年、静岡県生まれ。大学生時代に当時日本一過酷と称される「日本山岳耐久レース(ハセツネCUP)」に出場。翌年同大会で10位入賞を果たす。大学院卒業後はプロ・トレイルランナーとしての活動を開始。新潟県を拠点にアウトドアスポーツイベントの主催・プロデュースを行う「トレイルランナーズ」を設立。アスリートとしては2009年「UTMB」に初挑戦するも、100マイルレースの洗礼を受ける。この時の悔しさから毎年「UTMB」に出場し、現在も挑戦を続けている。2018年「Cordillera Mountain Ultra VK(フィリピン)」優勝、2019年「TTF(香港)」で3位と、世界のレースでも活躍。

 

横山峰弘(よこやま・みねひろ)
1969年、東京都生まれ。アコンカグア(6090m)、チンボラソ(6310m)単独登頂、北米大陸最高峰のデナリ(6194m)登頂を成し遂げた後、アドベンチャーレースに興味を抱き、プロチーム「チーム・イーストウインド」に所属。2003年、「日本山岳耐久レース」で7位、翌年同レースで優勝を果たす。その後トレイルランナーに転向、2012年「ウルトラトレイルマウントフジ」では5位入賞、2019年「UTMS110K」4位入賞など、50歳を迎えた現在も第一線で活躍し続けている。近年は大会プロデューサーやコースディレクターを務めるほか、トレイルランニング講習会やツアーなども行う。

 

志村裕貴(しむら・ひろき)
1986年、山梨県生まれ。山に囲まれた環境で育ち、20年以上続けてきたサッカーの補助トレーニングとして少年時代から山を走り始める。社会人となり小学校教諭という本業の傍ら、競技としてのトレイルランニングを始める。以後着、実にレース経験を積み、2018年ハワイで開催された「HURT100」は総合7位、2019年「OURAY100」で4位入賞を果たす。現在はアスリートとしての挑戦だけでなく、トレイルランニングを通じて地元山梨の山、そして日本の山の魅力を発信し続けている。

 

鏑木毅(かぶらき・つよし)
1968年、群馬県生まれ。中学時代に陸上競技を始め、高校・大学と長距離種目に身を投じる。大学卒業後は群馬の県職員時代にトレイルランニングと出会う。アマチュア選手として活躍し、2007年に「UTMB」初出場。その翌年に同大会でトップ5に入ったことで、40歳でプロへの転向を決意する。2009年の「UTMB」で3位入賞、「The Western States 100 Endurance Run」で準優勝と世界のトップ選手として活躍。現在は競技者の傍ら、講演会、講習会、レースディレクターなど国内でのトレイルランニングの普及に力を注いでいる。「ウルトラトレイルマウントフジ」の大会会長。

 

■THE NORTH FACEの記事一覧はこちら▼

 

■THE NORTH FACE
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