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【MILLET】「TYPHON」より驚愕スペックのレインウェアが登場 [3層・132g・耐水圧50,000・透湿性60,000]

1921年創業のフランスを代表するアルパインブランド、MILLET(ミレー)から、ブランドを代表するプロダクトのひとつであり、市場でも高い知名度を誇る高機能防水ウェア、ティフォンのニューモデル」「ティフォン ファントム ファスト ジャケット(TYPHON PTM FAST JK)」「ティフォン ファントム トレック ジャケット(TYPHON PTM TREK JK)「ティフォン ストレッチ ジャケット(TYPHON ST JKT)」が発表されました。

 

TYPHON PTM FAST JK

 

レインウェアの概念を覆す、“オバケ”(PHANTOM)級、防水ウェア「ティフォンファントム」

ティフォンファントムの開発は、圧倒的な軽さへの挑戦。そして、防水ウェアがもつ防水性と透湿性の限界を押し上げる挑戦でした。商品名が表すとおり、実体のない亡霊(=ファントム/phantom)のように内側が透ける見た目には一抹の不安を感じますが、耐水圧50,000mmと60,000g/㎡/24hの透湿性を備え、従来のティフォンを上回るスペックを誇ります。これは、防水透湿メンブレンこそ既存のティフォンと同じものの、表地と裏地に7デニールの極薄の生地を新たに採用した結果であり、極薄ながら高密度に編み込まれた表地を使うことで防水性が高まり、3層構造の防水透湿素材の厚みが全体的に薄くなったことで一回り上の透湿性を得ることに成功しました。

 

※PHANTOM FASTの重さです。PHANTOM TREKの重さは163gです。

 

極薄の防水透湿素材の開発と同様に、軽さへの挑戦はシームテープにも見ることができます。1gを削る戦いの末にたどり着いたのは、
通常のテープよりも細い9mm幅のシームテープ。ミリ単位のズレが許されない職人の高度な接着技術を駆使し、圧倒的な軽量性を実現しています。

 

 

さらに、表地にはティフォンと同様に伸縮性をもつナイロン100%の生地を使い動きやすさを確保。定評のある着心地の良さはサラリ
とする裏地の肌触りによって継承されています。

従来よりも幅の狭いシームテープの接着をはじめ、3層構造とは思えないほど薄い防水透湿素材の製造においても、ハイレベルな技術
力が必要不可欠。ティフォンファントムはMILLETが長年の歴史のなかで培ってきた製造現場との信頼関係とテクノロジーを結集させた防水ウェアといえます。

 

ティフォン ファントム ファスト ジャケット(写真左)
TYPHON PTM FAST JK
・品番:MIV03174
・価格:42,900円(税込)
・カラー:全2色
・サイズ:XXS~XL
・重量:132g(Mサイズ)

ティフォン ファントム トレックジャケット(写真右)
TYPHON PTM TREK JK
・品番:MIV03171
・価格:42,900円(税込)
・カラー:全2色
・サイズ:XXS~XL
・重量:163g(Mサイズ)

 

(左)素材は十分な耐水性能をもちながら内側のロゴが透けるほど薄い。(右)一本一本の細身のシームテープがシビアな設計を物語っている。

 

 

登場から10年。さらに進化した高防水透湿ウェア。「ティフォン ストレッチ ジャケット」

ティフォンを語る上で外せない性能が3つあります。ひとつは高透湿性。次に着心地の良さ。そして優れた伸縮性です。ティフォンは、防水透湿メンブレンを50デニールの表地と15デニールの裏地で挟む3層構造の防水透湿素材で作られているため、それぞれの性能はいずれかの層が単体で担うのではなく、3層の組み合わせの絶妙なバランスの上に成り立っています。

 

その最たる例が透湿性で、性能を左右する防水透湿メンブレンと表生地とその糸、接着方法の組み合わせは、何万通りをゆうに超えます。さらに、透湿性は防水性とトレードオフの関係にあり、単純に透湿性だけを高める方向性に注力すればいいというわけではありません。理想の防水性と透湿性を叶える組み合わせを見つける作業は、膨大な数のパズルの海からたったひとつの正解を探し当てるようなもの。現に何万通りものパターンを試した末に、耐水圧30,000mm、透湿性50,000g/㎡/24hをもつ理想の素材が開発されました。

 

 

苦心を経て生まれた防水透湿素材は、ダブルセブンからティフォンへ商品名が変わるタイミングで裏地の構造が大きくアップデートされます。肌面の裏側素材は従来の作りから、15デニールの非常に目の細かい丸編みのニット構造に変更することで、素材がもつしなやかさと肌触りの良さが格段に向上しました。現在、ティフォンに使われている目の細かい裏地を編める機械は国内に数台しかなく、評価の高い着心地は唯一無二の性能と言っても過言ではありません。さらに、特別な着心地を損なわないために、シームテープには別注品を使用。ティフォンは着用後に購買を決めるユーザーが多いという報告からも、その着心地の良さは実感を伴う特徴として広く認知されています。伸縮性については、クライミングシーンなどダイナミックな動きを伴うアクティビティを主戦場とするMILLETにとって、クロージングプロダクトに欠かせない重要な性能に位置づけられています。ポリウレタン製の防水透湿メンブレンは当初から伸縮性を備えているものの、注目すべきはナイロン100%の表地です。通常、ナイロンは数パーセントしか伸縮しない繊維ですが、糸の段階で特殊な加工を施すことで、ナイロン100%とは思えないほど優れた伸縮性を付加。この加工技術は日本の工場が世界に誇るもので、伸び縮みするナイロンの糸から一枚の生地を編み上げる工程にも高度な技術が用いられています。

 

ティフォン ストレッチ ジャケット メンズ(写真左)
TYPHON ST JKT M
・品番:MIV03168
・価格:36,300円(税込)
・カラー:全5色
・サイズ:XS~XL
・重量:300g(Mサイズ)

ティフォン ストレッチ ジャケット ウィメンズ(写真右)
TYPHON ST JKT W
・品番:MIV03207
・価格:36,300円(税込)
・カラー:全5色
・サイズ:XS~L
・重量:260g(Sサイズ)

 

(左)表面はDWR加工による高い撥水性も備えている。(中)ティフォンの着心地の良さはソフトシェルの着用感に近い。(右)クライミングシーンを想定してフードはヘルメット対応。

 

 

「ティフォン」誕生のストーリー

ティフォンは今年でリリースから10年目。当時の衝撃は現在もプロダクトを象徴する性能として色褪せず、ティフォン=蒸れにくいレインウェアというイメージをもっている方は少なくないと思います。では、なぜティフォンは他に類を見ない高透湿性をもって開発されたのか? そこには、MILLETの全登山者に向けたモノづくりの姿勢が関わっています。

命を守る高透湿防水ウェアをユーザーへ

ティフォンが市場に初めて登場したのは、2016年。しかし、前年の2015年にはすでにティフォンの前身といえる商品が登場していました。それは「W7 50000(ダブルセブンゴマン)」(以下、ダブルセブン)と名付けられた防水ウェアです。商品名を見ても分かるとおり、このアイテムはティフォンと同じ50,000g/㎡/24hという高透湿性をもってリリースされました。ティフォンの誕生は、この高透湿防水ウェアの開発のきっかけに端を発します。いまから遡ること十数年前、2009年7月に北海道大雪山系のトムラウシ山で、2012年5月には長野県北アルプスの白馬岳で複数の尊い命が犠牲になるショッキングな山岳遭難が発生しました。死因はいずれも低体温症。これらの事故を境に業界内では低体温症に対する警鐘が盛んに叫ばれ、同時にアウターレイヤーの重要性もしきりに発信されるようになりました。

 

 

当時、MILLETの社内でもアウターレイヤーの性能が見直され、このとき立ち上がったのが、これまでにない高い透湿性をもつ防水ウェアを作るというプロジェクトです。その根底にあったのは、“すべての登山者が安全に山に登り、安全に家に帰ってこれる製品をユーザーに届ける”という、アウトドアギアメーカーの使命ともいうべき強い意志でした。

MILLETが定めた高透湿性をもつ防水ウェアの開発に着手してから数年の歳月を経て、ブランドの想いが結実したアイテムが完成します。それが先に紹介したダブルセブンあり、発売の翌年にはアップデートと同時に商品名を変更し、強い雨に打ち勝つ防水ウェアという意味を込めて、ティフォン(typhon=台風のフランス語表記)がリリースされました。

 

■MILLET:https://www.millet.jp/

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