カーボンプレートで武装した
ロード用スピードスピードモデル
厚底シューズの代名詞的ブランドとして知られるHOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)ですが、ラインナップは多岐にわたり、厚底ではないスピード系のシューズ「EVO JAWS(エボ ジョーズ)」(トレイル)、「TRACER 2(トレーサー 2)」(ロード)も展開しています。今回ご紹介するのも、話題のカーボンプレートインサートした非厚底ロードシューズ「EVO CARBON ROCKET(エボ カーボン ロケット)です。
スリムなシルエットでタイトなフィットですが、アッパーの素材は薄く、柔らかいので足の形に合わせて伸縮してくれます。そのアッパーで一番の特徴はタンにあります。HOKA ONE ONEの他のラインナップにもアッパーとタンを接合したシューズはありますが、「EVO CARBON ROCKET」は伸縮性に優れた素材でソールから足全体を包み込むようにホールドしてくれます。タン自体にも粘りがあるので、伸縮性の高いシューレースも相まって素足に近い自然なフィーリングを提供してくれます。
さて、注目のソールシステムを見ていきましょう。
フォアフット25mm、ヒール26mmでドロップは1mm。アウトソールは2層構造になっていて、上層の黄色い部分はミッドソールのようなフォーム材、下層の黒いラバーは摩擦が多く発生する最小限の部分に取り付けられています。ソールの面積は狭く、厚底シューズの定番「CLIFTON 6(クリフトン 6)」と比べると接地幅はフォアフットで1cm近く短くなっています。
フォアフットとヒールが反り上がった形状のMeta Rocker Geometryと、ミッドソールのエッジが盛り上がった形状のActive Footframeはしっかり採用されています。
カーボンのプレートはアウトソールとミッドソールの間にインサートされていて、アウトソールに開けられたホールから実際に見ることができます。このカーボンプレートの影響で、ソールのフレックスは極めて固く仕上がっています。
スピードを求めて走る場合、このフレックスの硬さを最大限に生かす必要があります。シューズのセンターよりやや前で、短時間で荷重を最大にすることで、カーボンプレートの反発力を活かせると感じました。つまり、フォアフットでのリズミカルでインパクトのある走りとの相性がいいシューズということになります。ヒールが浅めなので、シューレース上部をしっかり締めて踵が浮かないようにタイトに履くのもポイントになります。
また、しっかりしたカーボンプレートの反発力は走り方以外にも体重によってフィーリングが変わってくるので、走りながら自分のスイートスポットを探していただきたいと思います。
「EVO CARBON ROCKET」は確かにスピードシューズですが、それほど難しいとは感じませんでした。ゆったりと走る場合はソールのロッカー形状を生かして転がすような走りをすれば、快適さが損なわれることはありません。スピードへの対応幅は意外に広いシューズです。
記録を狙うシリアスランナーが使えば、もちろん大きな武器となりますが、サブ4レベルのランナーでも十分に楽しめるでしょう。
EVO CARBON ROCKET
(EVO カーボン ロケット)
■価格/¥18,000+税
■展開 Unisex(23.0cm–30.0cm・1色・218g/27cm) ソールスペック:オフセット1mm/ヒール26mm/フォアフット25mm
■カラー/1色
■テクノロジー/ Midsole Volume / Meta Rocker Geometry / Active Footframe
■HOKA ONE ONE https://www.hoka.com/jp/