【Review】ULTIMATE DIRECTION ｢MOUNTAIN VEST 6.0(マウンテンベスト 6.0)｣

フィット、収納、安定感が高次元でバランスし、汎用性も高いヘビロテ必至のベストパック

1985年に世界で初めてハイドレーション・パックを発明したULTIMATE DIRECTION（アルティメイトディレクション）。アスリートがアスリート自身のために製品デザインに携わり、世界トップレベルのランナー達が「何が最高のギアなのか？」を長期に渡って探求し続け、究極のギアが創出されています。

トレイルランニングモデルのラインナップは軽量で豊富な機能を備えたメンズ用モデル「VEST（ベスト）」と、容量、機能はそのままで女性アスリートにジャスト・フィットするように形状を最適化した「VESTA（ベスタ）」。それぞれ、容量17Lの「ADVENTURE（アドベンチャー）」、13.4Lの「MOUNTAIN（マウンテン）」、10.3Lの「ULTRA（ウルトラ）」、6.3Lの「RACE（レース）」の４種類があります。

今回紹介するのは、13.4Lの「MOUNTAIN VEST 6.0（マウンテンベスト 6.0）」です。

まずは収納を見ていきます。メインコンパートメントの厚さは約10cm。ファスナーがサイドまで回り込んでいるのでかなり大きく開き下部へのアクセスも良好。その下層にリザーバーコンパートメントがあり別に上部からアクセスできます。
外側には大きなメッシュポケット、下部にはストレッチポケットを配置。ストレッチポケットは両サイドのファスナーからアクセスしますが、一つのつながったポケットになっています。

（左）ショルダーハーネスには十分な数のポケットがある。（右）白線がメインコンパートメント。その下層にリザーバーコンパートメントがあり上部から個別にアクセスできる。黄色線は伸縮性のあるメッシュポケット。オレンジはストレッチポケットで両サイドからアクセスが可能（破線は開口部）。

ショルダーハーネスのフロントポケットは左に４つ、右に３つ。上段は小物入れ（左にホイッスル付き）、中段はソフトフラスク用（左にはジップポケット付き）、そして、サイドまでカバーする下段に分かれています。ポールホルダーはショルダーハーネスと背面下部にあるので２通りの装着が可能です。

ソフトフラスク用のポケットにはバンジーコードがつく。ポケットは大きめでソフトフラスク以外のハードボトルやペットボトルも収納可能。

メインコンパートメントは伸縮性がないものの、バンジーコードを留めるフックを追加することで、装備が減っても揺れを抑えることができます。また、メッシュポケットは伸縮性がよく、想像以上に装備を詰め込むことができます。

下のフックにコードを回せばコンプレッションでき、装備が少なくても揺れを抑えられる。

次にフィッティングをチェックします。メンズ、ウィメンズ共に3サイズ展開。メンズのVESTとウィメンズのVESTAに品番が分かれている通り、男女それぞれの体型に合わせたフィッティングを提供するのがULTIMATE DIRECTIONの特徴です。さらに、ニューモデルはベストのような着用感を実現するために、身体をすっぽりと覆う形状に変更されています。

フィッティングに関する部分にはストレッチ素材を多用しているわけではありませんが、着用してみると素材がとにかく薄くて柔らかいので身体にしっかりとフィットします。また、チェストベルトを装着するワイヤーがしっかりしているので、テンションが綺麗に分散されているようです。端のパイピングも柔らかく、心地よい肌触りです。

身体に触れるメッシュ部分は本当に薄く、通気性が良いので蒸れを最小限に抑えてくれます。

裏地は極薄のメッシュ素材。腰にはアジャスト用のコードを内蔵しているためソフトなエアメッシュパネルを採用。

アジャストは2本のチェストストラップの他に、コンフォートシンチという独自の調整システムを備えます。これはショルダーハーネスの付け根にアジャスト機能を設けることによって左右それぞれ約5cm、全体で10cmほど長さを変えることができます。「MOUNTAIN VEST 6.0」ではコンフォートシンチもバージョン3にアップデートし、左右のアジャストを1箇所にまとめたことで、より簡単に調整できるようになりました。また調整用のコードも高分子量ポリエチレンに変更され、しっかりとホールドできるようになりました。

（左上）の下部はコードでつながれている。（左下）一つのストッパーで左右のサイズ調整が可能。（右）調整幅は片側5cm程度。

メジャーアップデートを実施してフィット感と使い勝手が大幅に向上した「MOUNTAIN VEST 6.0」は、フィット感、収納力、安定感を高い次元でバランスした完成度の高いベストパックです。ロングレースやワンウェイのツーリング、また、トレイルランニング以外にもデイハイクや帰宅ランでも活躍してくれそうです。